誘拐
「ここは…」
私リリーとローズは気が付いたら倉庫のような場所にいて、手を後ろで縛られていた。
「ローズ、大丈夫?」
「え、ええ。そうだわ、私たち薬を嗅がされて…。ここはどこなの?」
「分からないわ」
そのとき、どこからか足音が聞こえる。近付いてくる。
「気が付いたようだな」
身体の大きな男が上から見下ろしてくる。
「ここはどこですの?」
リリーは震えている。それなのにローズを庇うように前に出ている。
「答える義務はねえな。ある方のご指示でお前らを攫ったってことだけは教えといてやるよ。まあ、義妹の方は運悪く巻き込まれただけだがな」
そう言って、その男は気色の悪い笑みを浮かべている。
「だったら、ローズは家に帰して‼ 私だけでいいはずよ!!」
「それはできねえ相談だな。顔を見られちまったからな」
そう言うとどこかに去ってしまった。
「ごめんなさい、ローズ。巻き込んでしまって」
「お姉様のせいじゃないわ。悪いのは攫った人たちよ。絶対に許さないんだから!!」
だが、手を縛られている以上どうすることもできず、ただひたすらここで助けを待つしかなかった。
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