解放

第11話 ありがとう、來夢。

翌月、僕は來夢と別れた。


でも最後の夜に優しく優しく抱いた。

不思議とあの夢の中の母と同じ空気と匂いがした。


僕は最後に來夢に話した。


『ねぇママ…。ずっとそばに居てくれてありがとう。なのに…結局俺、真里亜がいいって聞けなくてごめん。無理だった。俺、真里亜の事ずっと好きだったから。』


すると來夢が…


『いいの。好きな所に行きなさい。もう止めないから。止めたところであなたは止まらない。何処の馬の骨か分からない女に託すより気心知れた女に託す方が何倍もいい。』


僕が母を抱き締めると、

『稜太、私はいつでもそばに居る。大丈夫だから』と言ってくれた。


―――――――――翌朝、來夢は荷物を持って出て行った。

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