「下水道に迷いて」
圧迫するようなクローゼットの暗闇の中、生下水と腐敗の強烈な悪臭が二人の喉を突き刺した。体は震え、足元の床は漂白剤とアンモニアで危険なほどぬるついている。ジャックとアンナは、互いに身を寄せ合った。耳を物理的に打ちのめすのは、轟々と流れる水の、打楽器のように重々しい騒音だった。その後には甲高い耳鳴りが残る。冷たく突き刺すような恐怖にジャックの肌は粟立ち、髪は汗の膜となって額に張り付いていた。アンナの華奢な体を貫く激しい震えに対し、彼女を安心させようとする無言の、最後の必死の試みとして、彼はその手を握る力を強めた。
突如、床が崩れ落ちた。木が裂けるような音は、押し寄せた洪水にかき消された。世界が消滅する。冷たく悪臭を放つ水の渦へと放り込まれた衝撃に、二人は息を奪われた。彼らは水中の墓場で、手足を狂ったようにばたつかせ、打ち破れない暗闇の中で、めちゃくちゃに転がり続けた。叫び声が形を成すより先に、濁流がそれを喉から引き裂き、代わりに塩気混じりの汚泥を口いっぱいに詰め込んだ。見えない激しい流れに抗うすべもなく運ばれながら、二人はそこにはない空気を求めて必死にもがいた。
混乱した永遠とも思える時間の後、その苦痛に満ちた移動は終わりを告げた。水は激しい起伏と共に、二人を広大で、ほとんど物音のしない水溜まりへと吐き出した。大きな水音を立てて水面に躍り出ると、そこで彼らを迎えた空気は、奇妙なことに水の中よりもさらに酷かった。その臭気は物理的な重荷であり、深く古びた腐敗臭と人間の排泄物が強烈に混じり合ったもので、二人の目を涙ぐませ、鼻腔を焼いた。ジャックは抑えきれない震えの中、水面へと必死で泳ぎ着き、肺いっぱいの汚泥を咳き込み、えづき続け、ようやく途切れ途切れの、焼けるような息を吸い込んだ。
はるか頭上のどこか、目に見えない開口部から差し込む淡い乳白色の光が、彼らが閉じ込められた場所の、忌まわしいほどの壮大さを露わにした。そこは巨大な、水滴を垂らすパイプ群と、滑りやすいコンクリートの通路がよどんだ水を取り囲むように続く地下迷宮、さながら失われた地下世界だった。聞こえる音は、見えない水路から流れる鈍い、喉を鳴らすような水音と、頭上の錆びついたパイプから絶え間なく鬱陶しく滴り落ちる「ポタ、ポタ」という音だけ。汚れが第二の皮膚のように、あらゆるものにこびりついていた。ジャックの目が必死になって暗い水中にアンナの姿を探したその時、鋭く、酸っぱいような新たなパニックの波が彼の胸に込み上げてきた。
彼の心臓が止まった。数メートル先、酸っぱい匂いのする水面に、目的もなく漂う青白い人影――彼女がいた。瞳は閉じられ、その顔ははるか高い天井に向けられ、暗闇の中で雪花石膏のように白い。その完璧なまでの静けさを目にして、ジャックは二度目の息を奪われた。原始的なエネルギーが血管を燃え立たせ、彼は疲労しきった手足が反抗の叫びを上げるのも構わず、粘りつくような、抗うような重い水を必死にかき分けた。彼女の傍らにたどり着くと、その肩の下に腕を差し入れ、ぐったりとした体を、コンクリートの壁から突き出た藻に覆われた低い張り出し棚へと引き寄せた。
震える指先で、彼は彼女の首筋に触れた。糸のように細く、か弱い脈拍が指先に触れる。涙が溢れそうになるほど強烈な安堵の波が、彼の全身を駆け抜けた。胸の動きに注意深く耳を澄まし、観察しながら、彼は彼女の唇に自らの耳を当てる。……何も聞こえない。彼女は静止したままだ。恐怖の冷気が彼の胃をねじ上げるように締め付けた。
彼はすぐに心肺蘇生を開始した。彼自身の心臓が、肋骨の内側で狂ったように、不協和音を奏でながら激しく鼓動している。彼女の胸骨を圧迫し、数を数えるその動きは、ぎこちなくも必死だった。彼はそのたった一つの任務に、自らの全ての注意力と全ての恐怖を注ぎ込んだ。苦痛なほどの時間が経過した後、彼女が詰まったような息を漏らした。それは鳥の羽ばたきのように、か弱く繊細な音だった。彼女の胸が上下するのが感じられたが、そのリズムは途切れ途切れで、あまりにも浅かった。
それでは不十分だった。ジャックは彼女の鼻をつまみ、頭を後ろに傾けて気道を確保する。震えながら深く息を吸い込むと、自らの口を彼女の口に重ね合わせた。その行為は感情のこもらない、冷ややかなものであり、迫り来る暗闇に抗うための土壇場の試みだった。彼女の胸に視線を固定したまま、彼は着実に息を吹き込み、何らかの兆候を祈った。わずかだが、はっきりとした胸の隆起があった。彼はそれを見るというよりも、肌で感じ取った。彼が口を離すと、彼女は咳き込んだ。今度は先ほどよりも強く、汚物を吐き散らし、顔を横に向けておぞましい水を噴き出した。
しばらくの後、アンナはどうにか体を起こし、次いでジャックの助けを借りて、よろめきながらも立ち上がった。彼女の脚はショックと疲労で不安定に震えている。アドレナリンの効果が薄れ始めると、自分たちの置かれた過酷な現実が、暗雲のように二人を包み込んだ。彼らは汚物にまみれ、出口の見当たらない、陰鬱で広大な下水道に閉じ込められてしまったのだ。
「ここは……どこ?」 彼女の声はしゃがれており、深く、心をかき乱すような不安を帯びてつぶやかれた。
ジャックは恐怖のどん底にありながらも周囲を見回し、その内側で分析的な楽観主義の微かな光が灯るのを感じた。「何かの雨水排水管か、あるいは主要な下水道システムだろう」彼は静かに言った。「かなり古いものみたいだ。だが、アクセスハッチや梯子は見当たらない」
「ここがアウルの言っていた場所のはずがないわ」アンナがそう言うと、彼女の声にあった楽観は悲しみの色へと変わった。「彼が話していたのは、人気のない、乾いた場所よ。でも、ここは現役で使われてる。まだ水が流れているもの」
ジャックは凍りついた。彼の思考が過去へと駆け巡る。彼女は、彼がとうの昔に忘れていた詳細を口にしたのだ。「待てよ」忘却の彼方にあった光景が蘇り、彼はゆっくりと言葉を紡いだ。「君がそう言うと思い出した……何年も前、親父と最初にここへ引っ越してきた時、敷地の裏手に古い下水道の入り口があったんだ。すっかり干上がっていて、ツタや苔で覆われていた。俺たちは、もう封鎖された昔の遺物か何かだと思っていたんだ」新たな理解が芽生え、彼は目を見開きながらアンナを見つめた。「アウルが言っていたのは、そっちに違いない。封鎖された、乾いたシステムだ。彼が説明していた生物発光キノコも、そういう環境でしか育たないはずだ」
アンナの瞳に、火打石のように硬質な決意のきらめきが戻った。彼女は「わかったわ」と応じた。その声にはいくらかの活力が取り戻されている。「それじゃあ、今度はここからどうやって脱出する?」
ジャックは、暗くアーチ型をしたトンネルを指差した。そこからは細いながらも絶え間ない水の流れが、二人がいる大きなよどんだ水溜まりへと合流している。彼は「流れを追うんだ」と、新たな確信に満ちた口調で言った。「この種のシステムでは、水流はほぼ間違いなく、どこかの処理合流点か、あるいは排水用の格子(グレイト)に行き着く。それが俺たちにとって最大のチャンスだ」
二人は視線を交わし、互いの間に暗黙の合意が成立した。一つの共通の目的を胸に、彼らは危険なほど凹凸のある地面を、ゆっくりと、慎重に踏み出した。やがて、トンネルの息詰まるような静寂を破る音は、彼らの「びちゃ、びちゃ」という足音と、より深い影の中で何やら見えないものが走り回る微かな物音だけになった。悪臭は依然としてそこにあったものの、今やまとわりつくような、不吉な通奏低音へと沈静化していた。
二人が狭い通路を抜けていく途中、アンナが沈黙を破った。「どこでそんなに上手に泳げるようになったの?」彼女の声は、その空間で奇妙な反響を伴った。
ジャックの唇が、薄く疲れた笑みを形作った。「親父に教わったんだ」と彼は言った。「大学時代、競泳の選手だったんだ」。彼はアンナを見つめ、表情を和らげる。「能力といえば、改めて礼を言わせてくれ。アウルの件だ。あの家でのこと。君は本当に俺の命の恩人だ」
彼女は小さく笑い声を立てた。薄暗い光の中でも、彼女の頬が赤らむのがジャックには見て取れた。「たいしたことじゃないわ」彼女は汚れた壁から視線をそらしながら言った。
「これで君の二勝、俺の一勝ってところか」ジャックはいつもの茶目っ気を取り戻し、からかうように言った。「俺が君をもう一回助けられたら、これでおあいこだ。それについてはどう応えてくれる?」
湿った空気の中で、アンナの屈託のない本物の笑い声が、場違いなほど愛らしく響いた。彼女はかぶりを振り、「それは少し難しい相談かもしれないわね、ジャック」と口にした。「特に、人間にとっては」
「うわっ」ジャックは心に傷を負ったかのような仕草をした。「手厳しいな」。彼はやや身を寄せ、共謀者のように声を潜めた。「もっとも、もし君が競争したい気分なら、俺はいつでもさっきの『美しい』プールに飛び込んでもいい。勝者が次に何をするか決める権利を得る、ってのはどうだ?」
アンナは再び、喉の奥から楽しそうにくすくす笑った。「あなたの種族がそんなに……大げさだとは知らなかったわ」
彼女の言葉がまだ宙に漂っている最中、前方のトンネルから、何かを激しくこするような、耳障りな金属音が反響し、その言葉を遮った。二人の軽口は瞬時に消え失せ、彼らはその場で凍りついた。ジャックは、再び肋骨を打ち鳴らす心臓の鼓動を感じながら、アンナに動かないよう手振りで示し、自らは抜き足差し足で前進した。彼はトンネルのコンクリート壁に埋め込まれた大きな鉄格子のもとへたどり着き、錆びて汚れた格子の隙間から向こうを覗き込んだ。
息を吸い込むたびに、彼の喉は締め付けられた。
彼の眼下には、想像を絶するほど広大な地下空洞に、一つの都市景観が広がっていた。そこは地球外生命体で活気づく都市であり、脈打つような、不安をかき立てる生物発光の輝きに包まれていた。奇妙な、何本もの肢を持つキチン質の昆虫型生物たちが、雑踏に満ちた通りを正確かつ機敏に動き回っている。廃棄された布地をまとった巨大な、何本もの脚を持つ荷運び用の獣たちが、リサイクルされたコンクリートやスクラップメタル、プラスチックで造られた、ずんぐりと無秩序に並ぶ建物の脇をのっそりと通り過ぎていく。それは、本来いかなる人間も目にしてはならないはずの、生き、呼吸し、複雑に機能する世界であり、微かな活動のざわめきを絶えず響かせていた。
ジャックはまるで火傷でも負ったかのように、その格子から飛びのいた。あまりにも荒唐無稽なその光景に、頭がくらくらする。アンナの方を振り返った彼の顔は、深い恐怖と驚愕が入り混じった仮面のようだった。
「アンナ」彼は、周囲の雑音にかき消されてしまいそうなほどのささやき声で言った。「君もこれを見なくちゃならない」
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