第13話 獣の様に
「あの……美沙姉、その恰好……」
「うふっ、美沙姉に戻っているわよ。 本当は今日が新婚初夜になるのよね……1日フライングしちゃったじゃない? 和也はこう言うの嫌い?」
今の美沙姉……美沙はスケスケのピンクのキャミソールに、スケスケのパンティ、しかも前が透けていて後ろはTバック、それでいてブラはつけていない状態だ。
その状態で、まるで女豹のような感じでにじり寄ってくる。
この誘惑に逆らえるような男なんて居ないんじゃないかな。
「俺は凄く嬉しいんだけど、まだ夕方なんだけど良いの?」
「新婚なんだから構わないんじゃない? ほらっ、新婚ってそう言う物でしょう?」
「そうだね、それじゃベッドの方に行こうか?」
「……今日は、私から、沢山、してあげるからね……ちゅっうっうううん……」
待てないとばかりに美沙姉は俺にキスしてきた。
そしてベッドに着くなり美沙姉は……
「和也くんは私に汚い所なんて無い、そう言ってくれたよね。 だったら凄い事しちゃおうか?」
「凄い事……美沙姉……」
「美沙姉になっているよ、ちゃんと美沙って呼んで、それで……どう? 嫌じゃない? 嫌なら普通にするけど?
「美沙……だって和也くんになっているし……でもいいの? 俺は嫌じゃないけど……美沙はその……」
「恥ずかしいに決まっているじゃない? だけど、和也く……和也くんだから出来るんだよ……それじゃ
美沙の顔が俺の股間に近づいていく、そして美沙の股間は俺の顔。
いわゆる69の状態だ。
透けた下着1枚、それだけの物が俺の目の前にある。
気がつくと俺は……
◆◆◆
「うふっ、獣みたいになっちゃったね」
「美沙姉にあんな事されたら、誰だってこうなるよ」
「こんな恥ずかしい事するのは和也くんにだけだよ」
どうしても、お互い、美沙姉、和也くんに偶になっちゃうな。
気にしなくても良いか。
「だけど、美沙姉こそ、嫌じゃないの?」
急に美沙姉の顔が深刻そうな顔になった。
不味い事言っちゃったのかな。
美沙姉は俺の右手を取ると自分の頭を置いて、腕枕の状態にしてポツリポツリと話はじめた。
「私ね、こういう行為が凄く嫌いだったの……」
確かに美沙姉の境遇なら嫌いになって当たり前だよな。
「そうだったんだ、ゴメン、だったら無理しないで……」
「うううん、違うの、初めて和也くんに抱かれる時も『好きになってくれたんだから』とか『大丈夫なのかな』とか思っていたの。だけどね、和也くんとのセックスって優しくて暖かくて……恥ずかしいけど気持ち良くて全然違ったのよ! 心も体も本当に蕩けちゃうんじゃないかなって位……全然違ったのよ。 私、和也くんとするまで感じた事も無かったし、こんな行為で気持ち良くなんてなるのかな……そう思っていたんだ」
確かに好きでも無い人間に抱かれるなんて苦痛でしかないよな。
「俺は正直言うと、凄く焼きもち焼いていたかな。俺はこんなに好きなのにって、苦しかった。だけど、妄想すると美沙姉ばかりしか頭に浮かばないし……正直に言うと想像の美沙姉で何回抜いたか解らない」
「嬉しいな……それでね、私、和也くんとするの嫌いじゃない。ううん、逆に好き……はっきり認めると和也くんとしていると嬉しいし気持ち良いの。私はその、なんでも経験がある女だけど『出来る事=好き』じゃない。だけど、和也くん相手だとね自分からなんでもしたくなるし、恥ずかしい事や汚く感じていた事も、好きに感じるの。自分からこういう行為を求めた事なんてないし……自分から進んでした事なんて今まで無い。それは本当よ。きっとこれからも和也くん以外にはこんな淫らな女になんてならないわ……引かないでね」
「引いたりなんてしないよ! 美沙姉から求めて貰えるなんて俺凄く嬉しいよ」
「本当?! 嬉しい……それじゃお風呂に入ろうか? 背中流してあげる」
「ありがとう、美沙姉」
ただ背中を流して貰うだけでおさまることは無く……結局、お風呂から出たあとも激しく愛し合った。
新婚なんだから仕方ないよね。
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