第6話 前進
朝起きてちゃんと投稿されてるかの確認をしてから歌ってみたの準備を始める。始めるつもりだったんだけど……
「曲決めてねぇや。2本目がカワボだったし次イケボでメリハリを付けようかな。となると……エゴロックにしようかな、アップテンポでカッコイイし、何より私の好きな曲！これめっちゃ重要だから！私はその曲を知って、好きになって、曲への愛を持って歌うんだ！というわけで練習練習！」
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「行き当たりばったり過ぎてキツイよぉ……自業自得じゃんとか言わないでね？私結構傷つくから。わかってはいるんだよ、大して準備もしないで初配信告知した自分が悪いって……だから追撃はいらないの。私のライフはゼロなの。死体蹴りはやめてよぉ……」
客観的に見てる自分自身が私を虐めてくる！やっぱり最大の敵は自分自身ってことか。(違うそうじゃない。)何はともあれある程度形になったしMIX作業に入りますかぁ……
依頼したいけど依頼したら明日のshortのネタに困るしやるしかない。やるしかないのを分かっててもしんどいてぇ……
モチベのために動画の再生数でも確認しますか……数字に期待なんてするだけ無駄。だから例え見てくれた人が何人でも、再生数が何回でも見てくれた人に感謝しなきゃだよn……
「は？5500再生、10000再生、6500再生？嘘……でしょ？夢じゃないよねぇ！やった！やったよ！あぁやばい嬉しすぎて泣きそう。」
再生回数がここまで伸びた原因が2chのとあるスレにあることをこの時の結衣はまだ知らないが、彼女がそのことを知るのはそう遠い未来の話ではない。
「5000越え！あそ～れ5000越え！5000越え！あそ～れ5000越え！よっしゃあやる気出てきたァァァ！こんなに私のshortを見てくれてる人がいるんだもん！MIX頑張らないとね！それに今回たまたま目新しさで見てくれた人をしっかりファンとして取り込んで固定客にしないとだからね。ふふふふふっ……」
「怖い怖い怖い……何でこんな伸びてんのさ！企業所属のVtuberなら妥当かもしれないけどこちとら無名のコネも集客の導線もないVtuberぞ。自分で言ってて悲しくなるけど私みたいな木っ端Vtuberの出していい数字じゃないんよ。」
まさか……燃えた？なわけないよな、だってほとんど何もしてないし。とりあえずエゴサするかぁ……
水瀬 唯 っとこれで何が出てくるかなぁ……
「は？専スレ！？調べ物してたら謎が増えたんだげども……とりあえず遡るか。」
スレを遡った先にあったのはスレ民が結衣のチャンネルを見つけて1歳児という情報を面白がって新人発掘スレにリンクを貼った結果、他のスレ民も結衣の動画を見始めたという事実だった……
「これかァァァァ！」
スレ民に見つかったならそりゃそうなるわな。一応新人個人VTuberだしこのスレの話題になるのはおかしなことではない……のか？
ま、まぁ私としてはメリットしかない話だしありがたく活用させてもらうとするか。にしてもまだ私の年齢信じられてないのか。
それもそうか世の1歳児たちはおじいちゃんおばあちゃんにパソコン買ってもらってVTuberをやってみようとはならないからなぁ……私が異質なだけだしね。
普通はただと設定だと思うわなまぁそれも個性としてここのスレ民は注目してくれてるのか。ありがたい限りだな。
ロリっぽい反応も期待されてるってことはNGテイクも出してった方がいいんかなぁ。shortのネタになるし何より新たに何かをしなきゃいけないわけでもない。よし、やろう！楽だし需要も主やってみっか！
今日明日はエゴロックの歌ってみたとそのMIX作業投稿して、明後日明明後日は初投稿のNG集も歌ってみたのNG集投稿するか。予約投稿機能使えばこれでノルマの毎日投稿は達成！
初配信まで時間がないしその準備しなきゃ……ほんと自分のノープラン加減がイヤになるよ。まぁどうにかこうにかやっていけてるし今回は良いか！次から気をつけよ～っと！(←反省しない奴の典型。今回何とかなったから大丈夫 なわけねぇだろ。)
とりあえずスライド作りからかな。その前に内容決めないとね。
・待機画面と待機BGM
・挨拶して自己紹介
・質問タイム
・ファンネーム、配信タグ、ファンアートタグ
・歌枠
こんな流れでいきますか。待機画面はぁ……描くか。ステージ上に私が呼ばれる感じのアニメーションにしよう。作画コスト的にモブの容姿と服装は同じにするとして……他にもやる事あるけど間に合うかなぁ。夜はパソコン使えないから作業出来ないし……
そうだ！夜は待機BGMと配信BGM作るか。それなら無駄な時間がなくていいな！
―――――――――描き中――――――――――
「はぁはぁはぁ……お、終わったぁ。何とか初配信前日に終わった。マジ疲れたもう無理寝……る……」
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