第3話 第二の事件 1




蒸し暑いある夜、私は一人涼求めて部屋を出た。

いつも通る道だが、夜中に歩くのは初めての事である。

静かにひっそりとしている公園。

いつもの顔ではない。

公園のベンチに腰を落として、

通り過ぎる自動車を見ていた。


「お兄さん。チョット、お兄さん。

寝てるのですか?」

と、虚な耳元に女性の声。


「こんな所で寝ていたら、猛烈熱女が来ますよ。」

と、訳の分からない事を言われる。


「猛烈熱女?何ですか、それは」


「それはね。・・・・話を聞きたいですか?」

と、薄笑みを浮かべてくる女

街灯はあるのだが、逆光の為か顔がはっきりとは見えない。

女は喋り出した。

「お兄さん、雪女の話知ってますか?」


「名前を聞いた事は有りますが、知らないです。」


「雪女は、男を凍死させるのだけど、猛烈熱女はね。…………」



  

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