悪意のカタマリ

 「そうそう、どうせ勝也の奴は、明のことを馬鹿にしているだけだろう」

 光輝は言う通りだ。勝也はいつも偉そうで、僕に命令してくる。

「あいつは、自分が正しいと思っているから。次に会った時バシッと言ってやれ。」

「そうだよね。勝也に言うね」

 光輝は味方でいてくれる。だから、僕を罵倒する勝也に言うしかない。

「おお、明、今度、車出してくれよ」

「イヤだよ。もう勝也とは遊ばないことにしたから」

「何言っての?馬鹿じゃねぇ」

 そのとき、光輝は「俺、先行っとくわ」とヘラヘラと笑って、その場からどこかに行ってしまった。何もせず、助けてもくれなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る