No.48 銀色鎧男

-一方、キィアスの行方-


「…………………?」

キィアスは、目が覚めるとベッドの上に居た。

何処だここは…?

チェイン………?

チェインはどこに居るんだ?


「チェイン……!?」

「フッ、誰がチェインだと?」


!?


客室用のソファに身構えるようにして座っている、こちらを見て罵られたキィアス。

ーーーーー鎧服を纏った男性だ。


「おっさん誰だ !?」


「誰がおっさんだ。」


ふぅ。と息をつくと、ガシャンガシャン銀メッキの長靴を鳴らして歩く。

ベッドへ。此方へ向かってくる。


キィアスは感が走り咄嗟にベッドから降りて客室部屋から抜け出そうとした、が。

速い。

長剣を引き抜くとキィアスの胸部に突きつけた。


ビクリと思わずたじろぐ。

動けない。

動けば切られる。


「単刀直入に聞く。青年、例の娘は何処だ?さっさと渡さんか。」


ピキッと蟀谷に亀裂が走った。

おい、こいつもかよ。

どいつもこいつも…アンタ達なぁ…!


「し、知らねーよ。」

「そうか。教えろ。」

「……っっけーな。」

「ほう、嘘がつけん真っ直ぐな男の様だ。

しかし、鎖の事に為れば足枷を外したくなる、か。」

"ピキッ"

亀裂が走る。

一瞬の威嚇を見せたキィアス。

「っだと…。」

ガタンッ

縺れかかり合うと拳を飛ばしたキィアス。

しかし、流され地面に臥せられた。

鎧男の金メッキが背を踏みつけた。


「…っ。」

懐から何か取られた。

「!?おい…っ」

「これがスマートフォンと伝う輩か。フッ」

スマートフォンを取られた。


「おい…! アンタなぁ、鎧男だか知らねぇがそれはやめろ ! 」

「なあに。後に返却致す。青年名前はなんだ?」

「さぁな。」


鎧男はチッと舌打ちをし、扉を開けて、チェインを探しに暗がりの中に消えていったのでした。


「…っ チ……エ…………っ」


背中の痛みが痛い…。

視界が微睡びました。

大切な人の名を溢し。



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