No.11 屋上の駆け引き

「おーっ、よく来たなぁ。」

「待ってたぁ~」

「うふふ、相変わらずどんくさい子ね…。」


「………。」


鎖は、例の3人に従い学園屋上に来た。

1対3か…。

どうなっちゃうのかな…。


「………。」


「なぁ?やっぱりこの子喋らねぇだろー?」

「ん~、けど、容姿は可愛いよねぇ。窓(まー)のほうが可愛いもんね~~~。」

「窓(まー)、この子に嫉妬しすぎよ…もう。」


だ、大丈夫…鎖…落ち着くのよ…!

それにしても…確か…右から

窓(マー)ちゃん

扉(トト)さん

開(カー)くん

なんてバランスネームコンビネーションなの。

けど、鎖は想った…。

この人達、とてもキラキラしてるなぁ。

キラキラしているのに、私なんかの何が気に入らないんだろう。


よ、よし…!勇気。勇気よ、鎖…!


「あ、あのぅ………。」


モジモジ…


「?」

「わぁ~喋ったぁ~」

「驚いたわ…アナタ喋れたのね…しかも自分から。」


緊張を通り越して頭の中がが真っ白。


「…っ、あ、えと、何の用なのかなって…です。」


よ、よし ! 1回返せたっ…!次、くる………!


「あー、それ。」

「あれ見せて ~ 賞状。」

「…私は知らないわよ。」



『賞状…?』


あれだ。鎖がコンクールに選ばれ。

入賞したと伝う、その賞状の事だと。

気がついた。

しかし今は手元に無い。

あるのはスクールバッグに隠している。

セイントセイバーのロッドだけだ。


「ま、待ってて、今、持ってくるから…!」


「じゃじゃん。実はあるし。」

「偽せ変えあるしぃ。これ、窓(まー)の名前書くぅ~。」

「………あんたって子は。OKかしら、鎖さん。」



「え?」



『いやいやいやいや、なんて形破りを…!そ、そんな事しちゃって大丈夫なのだろうか…。って、わ、私はこれでいいのかなぁ…?』


「…いいの鎖さん?」

「え?あ、はい…。」


左側に立つセクシー系な扉(トト)さん。

(窓)まーの光を(ある意味)遮らなかろうと宥めつつも、鎖に懇願する扉トトさんは鎖の事も心配をしている様子…。

鎖にはそんな風に彼女の心が映ったのだ。


しかし…


「…意志弱簿ね。」

「………っ」

優しい反面ちょっと厳しい。

それが扉トトさんみたい。


「ねぇコレ、まぁの。まぁの~~~」

「あ、はい…。どうぞあげます…。窓(まー)ちゃん」

窓(マー)ちゃんて不思議ちゃんなのかな………あは、は。

賞状の何が良いのだろう…

賞状と伝う上1枚より向こう側の。

証拠名簿に記載され管理されている。

手元の物が無くなろうとそっちにある。

なれば意味が無いのでは…。


「ぶってんじゃねー」

「え?…す、すみません………。」

開(カー)くんは何故にキレたのか解らない。

兎に角、鍵(キィアス)以外の男性とは

あまり接した事が無い。

鎖が赤面してしまうのも仕方ない。


と、伝う訳だ…!


「それで、どうするんだい?」


「そりゃあな」

「うんとねぇ~」

「もう用無しよ………え?」


『…え?』


「「「えっ?」」」


鎖の隣にいつのまにか居る枷先輩でした。





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