No.3 鍵

-朝-


鎖はベッドから起きると天井の欄間に

飾られてある賞状を虚ろに見詰めている。


「…これで賞状10枚目」


ギネス達成しちゃうかも………なんて。


その時、玄関のインターホンが鳴りました。


「はい…。」


「…お、おはよう。鎖。」


「鍵くん。おはよう、どうしたの?」


「が、学園行くぞ…! その、一緒に行ってやってもいいぜ…!」


「先行っていいよ。私今から朝食なの。」


「…待ってるから一緒に行ってくれ。」


こちらの男の子。

同じルティアース学園に通うフレンド。

名前は"鍵"

鍵と書いて"キィアス"て伝うの。

優しくて、格好よくて、何より…

私なんかをいつも助けてくれる。

正義のヒーローみたいな男の子なの。

喧嘩っぱやくて熱いところも

あるけど…ね。

何故か、私の仲介にいつも助け手に。

なってくれるの。

うーん、なんでかな?

ね、どうして鍵くん…

なんて面と向かって伝えないけれどね。


「そ、それよりさ、…っ鎖、今日空いてるか?」


「あ、うん。このスクールバッグ大容量なの。」


「いやいや、ちがくてな、スクバの要領じゃなくってな…!」


もう、鍵ったら…いつもこうして

笑わしてくれるの。

鍵と一緒に居ると、心が絆される。

笑顔。

鎖と鍵はこの時間帯が大好きでした。

互いの空間、ほがらかな日常でした。

それが…

まさかの事態になってしまうなんて………この時程想いもよらなかった。


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