誰にも言えない秘密

 外で遊んで、少し休憩するのにわたしは部屋へと招いた。


「海外へ行ってたの? そういう感じのものがある」


 海外……そうとも言えるかな?


「うん、少しだけ」


 誰にも言えない秘密が出来てしまったな。いや別に言わなくてもいいんじゃない? 困ることってないでしょ。


 冷えた飲みものを出して、隣へ座る。君の気持ちに頷いたのは、誰かと似ていたから。


 他愛のない話をして、気づいたら夕暮れ。


 付き合ってる、けど、何もしない。


 一緒に住んでたけど、何もなかったように、そういう安心が君にもある気がしたの。


 玄関のところで、君は振り返る。意図せず近づいた距離に、身体がビクッとなった。


「手、触れるのはあり?」


 指先に軽く触れたあと、「また休みが合えば遊ぼうよ」君はそう言って帰って行った。


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