本に恋

子どもの頃

とにかく本が好きで

片時も手放せなくて

学校への行き帰り

田舎で車の行き来が

ほとんど無かったのをいいことに

歩きながらも読み続けて

電信柱にゴッツンコ

オデコさすってアイタタタ

なんてこともよくあった

まだ長閑のどかな時代


わたしは本に夢中で

毎日欠かさず

時間の許す限り

図書館に通いつめ


あれはまるで

だった


今も本はわたしと共にあるけれど

あんなふうに

ただただ渇望して

本に言葉に文字に

焦がれていた頃が


切ないほどに懐かしい

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