もう少し、あと少し

細い細い糸が

一本切れたところで

誰も気づくことなどあるまい


実際古ぼけてくすんで

いつ千切れても

不思議はないのだから


未練も執着も

今更……と苦笑いしながら

なのに身の内から

もう少し、あと少し



なぁに悟ったようなこと言ってんだ

往生際悪く

最後まで足掻くのが

アンタでしょうが


わたしがわたしに話しかける


そうだよねぇ

ああ、そうだった


生かされている限り

どんな姿を晒しても


もう少し、あと少し、と


生きねばなぁ

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