夏という季節

それは

ずっと一番苦手な季節で


だけど忘れがたい情景は

いつも

あの頃の夏なのだった


草いきれ

濃い緑の匂い

降り注ぐ太陽と蝉の声

びっしょり汗をかきながら

水筒から飲む麦茶の美味しさ


夏祭り

打ち上げ花火を見上げる

桔梗柄の浴衣着て

人混みのなか手を繋いで歩いた

水ヨーヨーの鮮やかな青



目を瞑れば

今でも

いつでも



胸が締め付けられるほど

懐かしくて切ない

思い出のなかの

戻らない


あれは

わたしの


夏という季節

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