秘匿

心の奥には秘密の扉があって

その小部屋のなかに

わたしをひとり

ひっそりと隠している


カタチ定まらぬ姿は

不安定に揺れて輪郭を滲ませる

内に薄闇を澱ませながら

微かな灯をそれでも抱いて


わたしは時々

秘密の小部屋にすま

わたしを訪ねる


わたしとわたしは

掌と掌を合わせて

そっと向かい合う


ひたいをくっつけて

瞳を閉じて

わたしたちは


ただ静かに


雨が降るように涙を零す

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