七日目
太陽暦934年 5月12日 曇りときどき雨 ゼノン・クロック 16歳
日記を始めて七日目。ついでに言うと冒険者を始めて七日目でもある。
今日は本当に働いた。うん、めっちゃ働いた。具体的に言うと依頼を三つもこなしてきた。
今朝冒険者ギルドに行くと、昨日の発言が結構広がっており、周りから少しくすくすと笑う声が聞こえてきた。まあ、確かに笑われても仕方がない。今の俺にとって魔王討伐という昨日の夜の発言は身に余り過ぎる言葉であったのは確かだ。
地道に依頼をこなして認めて貰うことが重要なのだ。
と、言ってもランク1の依頼なんてものはそうそうない。誰も全く依頼を受けたことのないペーペーに依頼をしたいなんてもの好きは少ない。
なので、俺と同じで依頼にありつけていないランク1の人を二人、腕に自信のないランク2の人を一人、計三人を集めて即席のパーティーで依頼を受けに行った。ランク2の人がいるのでランク2の依頼を受けることができたのは狙い通りだった。
ランク2の依頼は雑用だったり、害獣駆除だったりと比較的簡単な仕事が多く、そこまで経験がなくても出来るものが多かった。流石、実質最底辺ランクといったところであろう。なので、人数にものを言わせて、複数の依頼をこなした。
引き受けた依頼は薬草採取が2つと害獣退治が一つ。
薬草採集はランク2の人のお陰で特に苦もなく終わった。「経験値の差が生きたね。」とランク2の人は笑いながら言っていた。
で、害獣退治が大変だった。
ランク2の人をリーダーにしていたのだが、荒れ狂う鹿を前に腰を抜かしてしまっったようで、彼を庇いながら戦うのは骨が折れた。
まあ、でも何もなかったし良かった。ランク1の方はそれぞれ弓使いと棍棒使いで、バッタバッタと鹿やイノシシを倒してくれた。
熊には流石にビビったけど、何とか討伐することには成功した。仲間が居なかったら死んでたかも。
初めはソロでもいいかと思ったけど旅の仲間がほしいなと思った。
ランク2まで、残りの依頼数は4。
まあでも、今は取り敢えず、旅に出る為にランク3になれるように自分を鍛えることに集中しようと思った。仲間はそれから考えるとしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます