第20話

「そんな事、解らないですよ。被写体が全く見えないのに

写真撮ってるんですよ。写っているかどうかも解らない。

でも、僕には感じたのです。霊達がカメラのレンズを観ているって、強く感じました。」


「それは凄い。霊達を感じるなんて!

修行を積んだ証拠だ。もっと積めば霊達が見えるよ。

そして君は世界で初めての幽霊を撮る写真家になるよ!」

と、励ましてくれる。


僕は複雑な気持ちで聞いていた。

嬉しい☺️様な嬉しく無い様な・・・・


「じゃ、そこで座って待っていてくれ。

お客が来ても、店主は居ないと言ってくれ」

と、昨日と同じ言葉を残して店主は現像室に消えて行った。

待つ事、一時間店主は現像室にまだ篭っている。お客は相変わらず誰も来ない。

「こんな状態でこのお店やっていけるのかな?」

と、またもや独り言。

……私は自分の心の声をそのまま出す正直者かも知れない。……

と、思っていた。

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