第14話~目撃者への制裁?~

「もしかして、見ましたか?」


 羞恥に顔を染め、顎を引いて上目使いで男を見つめるアンジェの顔は、昨晩の乱れた姿からは想像もできなかった。潤んだ瞳で見つめられ、若者は戸惑った。


「い、いえ、見たと言っても、ほんの一瞬、白い足のようなものを」

「でも、先ほど私の足を見て、やっぱりって……」

「そ、それは、あまりに美しかったから……」


 若者がしどろもどろに返答している間に、アンジェが身体を寄せた。


「えっ! ちょっ、ちょっ、アンジェ様?」

「お願い。他の人には黙ってて。その代わり……」


 アンジェの手が男の股間に伸びた。絶妙な手つきでその部分をさする。若いだけあって、すぐに反応する。


「な、なにをするんですか!」

「大丈夫だから、ジッとしてて」


 アンジェは、しゃがみ込むと男のズボンを下ろした。すでに十分に隆起したソレは、カリアのモノより硬く青臭い匂いがした。先端からはすでに粘液が滲み出ていた。それをアンジェの舌がゆっくり舐めとった。


「くぅ!」


 我慢できず男が呻き声をあげる。アンジェは男のモノを咥え込んだ。


「アンジェ様、ダメです。僕には約束した人が…」


 アンジェは咥えたまま、舌先を回して先端を舐めた。男の腰がピクピクと震える。経験の少ない男なら、それだけでイッてしまっただろう。しかし、男は快感に震えながらも、まだ余裕があった。

 アンジェは喉の奥まで咥え込むと、唾液を絡ませながら、顔を前後に動かした。


 ジュプ、ジュポと卑猥な音が木々のさざめきに混じる。その光景に、魔王は我慢ができなくなった。


「こんな姿でなければ俺も……。今はそう言っても仕方ねえか」


 法衣の中をもぞもぞと魔王トカゲは移動した。胸の谷間を進み、腹をつたって、膝立ちになっているアンジェの下腹部に進む。そこはすでに、潤いを帯びていた。


「すでにいい感じだな」


 魔王トカゲは、その尻尾でアンジェの桃色の肉芽に触れた。


「んんっ!」


 男のソレを咥えたまま、アンジェの表情が歪む。


「続けるんだ。その男ももう少しで限界だろう」


 魔王トカゲの尻尾がピタピタとアンジェの敏感な部分を嬲る。その快感に悶えながら、アンジェは男のソレを吸った。


「アンジェ様、なんて淫らな顔で、俺のモノを……」


 快感に咽びながら自分のモノを咥え込むシスターの姿に、男はあっけなく限界を迎えた。


「あっ、で、でます!」


 男の若い精がアンジェの口内に迸る。その青臭い力を、アンジェは残さず吸い取った。男の腰がガクガクと震える。快楽と共に、男はその魔力を吸い取られた。


「その力、少し頂くぞ」


 男が果てる直前に、魔王トカゲは肉芽を弄っていた尻尾をアンジェの中に挿入した。


「んんっ!」


 魔王トカゲの尻尾がアンジェの中のクニュクニュと蠢く。人の肉棒ではありえないその動きに、アンジェは軽い絶頂を感じた。吸収したばかりの魔力が、魔王に補充される。


「はぁぁ! そ、それ、もっとぉ!」


 アンジェは、まだまだ尻尾の感触を味わいたかったのだが、魔王トカゲはすぐに引き抜くと、地面に降りて男の上に飛び乗った。

 男は下半身を丸出しにして、恍惚の表情を浮かべたまま、草むらに倒れ込んでいた。


「よし、死んではおらぬな。訓練を積んでおらんものが、急激に魔力を失うと、死ぬこともあるからな」

「あのぉ、ちょっとした疑問なんですけど」


 不満気な表情でアンジェはトカゲに言った。軽い絶頂だけでは、明らかに満足できていないようだった。


「なんだ?」

「わざわざ私が彼から魔力を吸収しなくても、直接この男性から授かればよいのではないですか?」


 アンジェの言う事ももっともだったが、魔王にとってそれは、考えられない事でもあった。


「なんでわしが、男を相手しなければならんのだ!」

「えぇ、そこなんですか!」

「神も男であろう」

「あぁ、なるほど」


 完全に屁理屈だったが、アンジェは納得したようだった。


「さてと、なぜこの男から魔族の匂いがしたのかだ」


 魔王は若者の頭に張り付くと《読心(リード)》の魔法を唱えた。魔力を失った男の精神は抵抗もなく、簡単に覗き込むことができた。

《読心(リード)》の魔法はその名の通り、人の記憶を読み取る魔法だ。高位になれば、会話の内容やその状況で対称が感じた感情などもわかる。しかし今の力では、記憶映像を垣間見ることが精一杯だった。しかし、収穫はあった。男の心を占めていたのは魔族の女だった。



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