僕の手にはおっぱいを少し大きくする力がある
雅
第1話
「勇気君、ちょっと話があるんだけど良いかな?」
クラスメートが昼休みにいきなり話しかけてきた。
入学以来、一度も話したことの無い子だ。
最もこの高校に入学して二ケ月になるが、数人のクラスメート以外とは必要最小限の会話しかしていない。
人との関係性を築いたり、それを維持するためにエネルギーを使う気は皆無の僕は高校生活をボッチで過ごすと決めている。
なんでかって。
人との関係なんて壊れる時は一瞬だからさ。
簡単に失ってしまうもののために労力を掛けるのは無駄だからね。
それが僕のポリシーなんだ。
「僕には話すことは無いんだけどな」
だから、僕は突っぱねる。
相手がクラスでちょっと人気の子でもね。
それに僕は巨乳は嫌いなんだ。
おっぱいは僕のトラウマだからね。
だからそのおっぱいを誇示する巨乳ちゃんにはウンザリだ。
「あはは、君ってやっぱり噂通りだね」
噂。その言葉で僕の心臓の鼓動が早くなる。
興味本位で拡散された噂が僕を家族から引き離したんだ。
あの時の広がっていく噂話が母や妹をどれだけ傷付けたか。
もう、他人から興味を持たれるのはまっぴらなんだ。
それなのに、ここでも僕は噂にされるのか!
「なんだよ、噂って?
噂話をされるほど僕のことを知ってる奴なんていないだろう」
そう、僕は頑張ってボッチをしているんだ。
クラスでは話をする少数の友達にも心は許してかないし、自分の事は話さない。
だから誰も僕の本当のことなんか知らないし、興味も引かないはずだ。
噂なんて立つはずが無いんだ。
「勇気君、それは甘い考えだよ。
だれとも接していなくても、いやだからこそ根拠の無い空想で噂の種にされることだってあるんだ。
だって、みんな不思議に思っているからね。
なんで、あそこまで徹底してクラスに溶け込まないんだろうってね。
なにか訳アリじゃないかとかと空想を膨らませても不思議じゃないでしょう」
なんだよ。目立たないようになるべく関わらないようにしているのに、それが目立つことになるのかよ!
「それはまた随分と暇な奴が居るんだな?
それで、君は妄想から生まれたうわさ話に興味を持って僕に話しかけてきたのかな?」
「遥。私の名前だよ。君じゃないからね。
それと、私は噂話で勇気君と話したい訳じゃないんだ。
ちゃんとした根拠のある話を聞いてね。
それで君に興味を持ったのさ」
根拠のある話??
なんのことだ??
「僕にはK県に2つ年下の従妹がいるんだよ。
それでね。その従妹の友達に立花。
立花って子が居るんだけど。
なんでもその子には勇気って名前のお兄さんがいるらしいんだ」
「おい、僕を脅す気か」
★
勇気君に妹の名前を告げた瞬間、彼の声が変わった。
その声を聞いて私は従妹から聞いた話が真実だと確信にする。
これは正解だね。
「脅す?そんなことはしないわ。
少し話がしたいだけよ。
ねえ、だから少し静かなところに行きましょうよ」
それから勇気君は黙り込んでしまう。
ひりつくような無音の時間が流れ、そして彼から告げられたの。
「あっそう、じゃあついて来いよ」
彼も私が立花ちゃんのことを話したから、あの関連の話なんだとは判っている。
だから教室ではこれ以上は話したくなみたい。
でも場所を変えるっとことは話を聞いてくれるっとことよね、
さっきまでの拒絶感が少し消えたのかしら。
でも、怒ってるわよね。
口止めをしたいだけかな?
そんな彼と人目が無い静かなところに行くのはちょっと危険だけど。
私もここは引けないのよね。
あの噂話が本当なら私の悲願が叶うのだから。
そんなことを考えながら彼の後を付いていくと、普段の授業では使っていないはずの教室の前で彼はポケットから鍵を取り出して扉をあけたの。
「入れよ。ここなら静かに話せるからな」
彼に促されて私のその部屋に入ったの。
こじんまりしたその部屋は明り取り用の小窓しかない6畳程度の部屋。
雑多に物が置かれていてとても狭いの。
「ここは前は生徒会室だったんだ。今は違うけどな。
ほら、座れよ」
彼はくたびれたソファーに当たり前のように座ると私にも座るようにと促した。
「どうした、話があるんだろう」
そうね。大事な話がある。
だから私は彼の隣に座る。
彼に私の悲願を叶えてもらうためにね。
「それで、話ってなんだよ」
前置きも無く彼が私に聞いてくる。
だから私も単刀直入に話すことにする。
「ねえ、私って可愛いでしょう」
そんな一言に彼が呆れた顔をする。
「普通、自分で自分のことを可愛いっていうか?」
「あら、私の勝手な思い込みじゃないわよ。
クラスのほとんどの男子が私にそう言ったわ」
「それで、お前のことを可愛いって言わない僕を呼びつけて、可愛いって言わせたいのか?
クラスの男子全員から賛美を集めたいのか?」
「そんな訳ないでしょう。そんな事の為に静かなところで話したいとか言わないわよ。
大体、立花ちゃんの名前を出した時点で察してるわよね」
そう、察しているはず。
だって勇気君は私のおっぱいをさっきから探るように見てるんだもの。
そして勇気君はため息を履いて口を開いたの。
「お前って、本当にやな奴だな。僕と立花の話を知っていてそんな風に言うんだ」
彼の苛立ちが一段と強くなる。
まあ、当り前よね。碌に知らない女の口から立花ちゃんの名前が出るんですもの。
「ごめんなさいね。でも手っ取り早いでしょう。
立花ちゃんのおっぱいを大きく育てた勇気君の力が私には必要なの」
こいつ、何を言ってるんだって目で勇気君は私を見ている。
正確には私のおっぱいをね。
「お前、Fはあるだろう。巨乳ちゃんだろう。
噂になっている僕の力は巨乳ちゃんには用なしだと思うんだけどな」
あら、おっぱいのこととなると雄弁に語るのね。
そう、私はエロ可愛い、巨乳でちょっとギャルっぽい可愛い子なの。
でもね……
私はブラウスの第二ボタンを外してゆく。
勇気君は私の手の動きにくぎ付けね。
そして、私の大きなおっぱいではちきれそうなブラジャーに手を入れるの。
「お前、何やってんだよ。お前は痴女か」
そう言いながらも私のおっぱいに目が釘付けな勇気君にそんなことを言う資格はないと思うんだけどね。
「じゃじゃん」
私にだって羞恥心はあるのよ。
だからおどけて見せる。
「これ、な~んだ」
「はあ、お前、すっごい上げ底なんだ」
「む~、上げ底って、もう少し言い方があるんじゃない」
「そうか、Aカップの貧乳が、パットでFカップに見せていたって言った方が良かったか」
「それも嫌。
それにFとかAとか、勇気君って結構むっつりなんだ」
ほんと、人の胸のサイズは一目で見破るとか無いわよ。
失礼極まりないじゃない。
「むっつりはお前だろう。ぶかぶかのブラの隙間から乳首まで見えてるぞ」
勇気君の一言で私は慌てて胸元を抑えたわ。
なに、見てるのよ。
「平らな板に、干しブドウが乗ってても少しもエロくないけどな。
だから、無理に隠さなくてもノープロブレムだ」
「なっ、なによ。レディーの胸を見て言うことがそんな事なのかしら」
「レディー、お前の胸は幼稚園児と一緒だろう。
幼稚園の水遊びでさんざん見たのと一緒だから気にするなよ。
あっ、それと御免、Aカップは言いすぎだったわ」
こいつ、本当にむかつく。
「そうよ、Aカップとか幼稚園児とか酷すぎるわよ」
私の言葉でなぜか勇気君はにやついている。
「御免、御免、幼稚園児は撤回しないけど、Aカップは撤回するわ。
どう見てもAAだわ」
「なっ、なによ。そうよ。AAで何が悪いのよ」
「いや、AAが嫌だから僕に頼むんだろう」
そう、こいつは噂によるとおっぱいを大きくする力を持っているって話。
その力を妹の立花ちゃんで試して、立花ちゃんは小学生なのにFカップになったて言われてるのよね。
「なんだ。何も言わないのか。それなら帰れよ」
帰る。冗談じゃない。私は顔だけじゃなくて、脱いだらすごいって言われるようになるのよ。
水着のことを考えると夏が怖いなんて、もう卒業するの。
エロ可愛いJKになるんだから。
「まって。お願い、お願いします。私のおっぱいを立花ちゃんみたいに大きくしてください」
そんな私を勇気君はじっと見ている。
「なあ、僕がどうやっておっぱいを大きくするか分かって頼んでるのか?」
分かってるわ。おっぱいを大きくするには勇気君の手でもんでもらう必要があることは。
だからこそ、勇気君と立花ちゃんのことは噂になって勇気君の家は一家離散になってのよね。
「判ってるわよ。判っていてお願いしてるの」
「そうか、ならばまず裸になってもらおうか」
「えっ、裸。ここで…」
「嫌ならこの話は無しだ。お前はAAカップで高校時代を過ごせばいい。
僕からすれば立花のことを思い出すからこの力は封印したいんだ。
それをお前がこじ開けようとしてるんだぞ。
それぐらいの覚悟は示せよ」
私の目をじっと見つめて静かな声で、でもとても力のこもった声で勇気君の気持ちが告げられる。
私は、それに答えなければならない。
そう思って私はシャツのボタンに手を掛けたの。
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