第17話 召喚
「フィン……ワイトキングを倒した時に手に入れた魔石は、売ったのか?
あるだけの大きさだ結構な金額になっただろ。」
「いえ、取ってありますよ。
あんなに大きな魔石ですから貰えるスキルポイントも多いかと思って売らずに取っておきました。」
「……フィン……お前、良いやつだな。」
「ドックには、いつもお世話になっていますし……何より! 僕の目的は魔吸石ですから。」
「確かに、じゃー早速! あの巨大な魔石を食べてみるか!!!」
「はい! こちらです。」
俺はフィンが取り出した魔石を食べると……
バリバリ……ボリボリ……バキバキ……ゴキゴキ……
『スキルポイントを大量に取得……
及びにワイトキングのスキル【眷属召喚】を習得しました。』
「おお! 何それ!? 便利そうなスキルだな
人気のない森で使ってみるか!」
*
俺達は森に来ると【眷属召喚】を使ってみた。
すると、1匹のスケルトンが召喚された。
「凄い……でも、このスキルは使わない方が良いと思います。」
「…………だよね。」
俺もそう思った……このスキルは、危うい。
モンスターを生み出すなど勘違いをされれば討伐されかねない。
「よしッ!
このスキルは封印するとして
次は……フィンの妹を助ける為に、GOする。」
「ありがとうございます!!!
では、そちらに向かう商人の方が居ないか調べます。」
「何で!? 商人……?」
「商人の護衛と言う形なら色々とスムーズですし。
しかも、お金も手に入りますから一石二鳥です!」
「知らぬうちに逞しくなったのぉ……フィンよ。」
「では、早速ギルドに向かいましょう。」
それから俺達はギルドに向かい。
商人の護衛の依頼を探したが……
この街、最弱のフィンに護衛を頼む者は居なかった。
それから、やっと見つかった護衛の依頼者は
少し怪しげであったが……護衛を引き受ける事にした。
そして、俺達はフィンの妹がいる村へと護衛をしながら馬車で向かった。
*
*
*
フィンの妹とがいる村に着くと!
俺達は報酬を貰って、知り合いの人達に挨拶を済ませてから修道院に居る妹の元へと向かった。
そして、修道院に着くと!
シスターの所に案内をされると、俺達と共に
この村に来た者達の姿があった。
「この修道院には、とても魔力の高い子供が居ると聞いています!
一度、会わせては貰えないでしょか!?」
「……あの子は、魔力が高いと言っても病気ですよ!
あなたの期待に応えられるとは、私は思いません。」
「……それでも、一目見て確かめたいのです!」
そこへフィンが割って入った。
「どうしたのですか!? シスター!!!」
「あら! これは、フィン君。
実は、この方が貴方の妹さんに用があるみたいで……」
「初めましてフィンです。
僕の妹にどの様なご用件で!?」
「……貴方の妹さんだったのね。
まぁ、良いわ!!!
私は、アイリス……バブル国から来た。
冒険者よ!
私は、強い仲間を探しているの。」
フードで顔は見えないが、喋り方から女性という事は分かった。
しかし、女性である彼女はどうして強い仲間を探しているのか!? 疑問に思ったが……
まぁ、冒険者なら弱い仲間より! 強い仲間を探すのは当たり前の事か。
「アイリスさん……申し訳ないのですが
僕の妹は魔力病と言う病気で、その為に生まれつき魔力が高いだけなんです。
しかも、魔力病は成長するにつれて体内の魔力が暴走を始める為に長く生きる事が出来ないのです。」
「……そうだったの。
病気とは知らずに、無神経にも程があったわね……ごめんなさい。」
「いえ……大丈夫ですよ。
僕達は、妹を助ける為の魔吸石を手に入れましたから。
それを使えば妹は、魔力! 共々、普通の女の子になりますから。」
「僕達……?
それは、良かったわね。
それにしても、その魔吸石は貴方1人で手に入れたの?」
「……まぁ、そうですけど。」
「なら貴方! なかなか腕の立つ冒険者なのね。
街では、最弱の冒険者と呼ばれていたらしいけど……レベルはいくつ?」
「…………2……いや、3…………いや、やっぱり……2です。」
なぜウソを使うとしたフィンよ。
「はぁ!? レベル2」
「フィン君、良かったですね。
やっと、レベルが上がったのですか!?
私は、てきっりフィン君のレベルは上がらない物かと勝手に思っていましたよ。」
「……それくらい上がりませんでしたからね。」
「どう言う事? 貴方、冒険者をしてどのくらいなるの!?」
「4年です。」
「4年!!! 4年やって、レベル2……
嘘でしょ。」
「本当です。」
「そらは、最弱の冒険者と呼ばれる訳だわ。
しかし、そんな貴方が何故!?
魔吸石なんて手に入れられたの?」
「まぁ……運が良かったんだと思います。」
「運が良いだけで手に入れられる代物でもないでしょ! まぁ、良いわ。
レベル2の冒険者に何て興味無いから、私はもう行くわ!」
フィンは、少しショボンくんになってアイリスを見送った。
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