転生したら服(不苦)でした。

国語力 漫点

第1話 死と生

「………………あれ………………………………………


もしかして、俺は死んだのか…………?」



俺が目を覚ますと、真っ白な世界で1人の男性が必死に謝っていた。


「本当に、申し訳ない……。」


俺は、その謝っている男に謝っている理由を尋ねると


男は神様で、天罰を与えるはずの男と同姓同名の俺を間違って殺してしまったみたいで……その事を必死に謝っていた。


「……はぁ!? 間違って殺した?

おいおい! 神様とあろう者が間違って罪の無い人を殺すとは、どう言った了見か!

聞かしてもらおうじゃねーか!!!」


俺は、間違って自分を殺した神様を

めちゃくちゃ問い詰めた。


「俺の薔薇色の人生が、これでお終い。

ふざけるんじゃねーーー!!!」


『まぁ、特に薔薇色の人生って訳では無かったが……

俺にだって前世残して来た未練などは沢山ある…………と、思う。

万年彼女無し金欠の俺だが、人生に一度くらい彼女が欲しかった。(お金も)』


そして、俺は良い事を考えた!


「おい! 

神、俺は間違って殺されたんだよな!!!

だったら許してやるから。

俺を彼女持ちの金持ちとして生き返らせてくれ!!!

それくらい神様なら出来るだろ!」


「いや…………生き返らせる事は、可能なのだが……君の元いた世界に蘇生は無理なんだよ。

君の体は、もう骨になっているからね。」


「はぁ? ふざけんなよ。

アンタの間違いだろ! 何とかしろよ!!!」


「……ならば、異世界ならどうだ?

剣と魔法の異世界にだったら君を蘇生出来る。

しかも、チート持ちとして召喚可能だ!!!」


「…………ーーー!!!

良いじゃん良いじゃん!

だったら、俺をスーパーチート持ちとして召喚してくれ!」


「……分かった。

僕が間違えたのだから出来る限りの事は、するよ。」


「じゃー!

まずは……魔法は全属性持ちで! 

しかも、魔力量は世界で1番にしてくれ。

他にも魔物を取り込むと、その能力が使える様になるスキルとか……あとは、物理耐性とか耐熱耐性、毒耐性、炎、雷、水……

その他もろもろ耐性持ち! 

召喚魔法なんかも使ってみたいな……

あとはあとは、大事なの忘れてた!!!

大賢者は、絶対必要! 分からない事が有れば聞けるし……チートの絶対不可欠なスキルだからな! 

あとは、鑑定スキル、探知スキルもよろしく頼む。

それからレベルアップした時に、スキルポイントで新たなスキルを習得出来るのも良いな……あっ! でも、レベルアップだけだと限界があるからモンスターを倒した時を魔石吸収する事で、スキルポイントが加算される。てのがベストだな!

あと、それからそれから……」


「ちょっと待ってくれ!!! 多すぎる。

そんな状態の君を異世界に召喚したら世界のパワーバランスが崩れてしまう。

すまないが、出来れば……10……いや……5コ程度でお願いしたい。」


「5コ……ふざけんなよ! 

アンタの勘違いで、勝手に殺されたんだ。

そのくらい忖度してもらわないと納得出来るか!!!」


「……分かった。

だったら、君の言う様に

レベルアップの際のスキルポイントとモンスターを倒した時の魔石を吸収する事で得たポイントで、君の好きなスキルを選べる様にする。

これなら、全ての魔法と全属性持ちも可能となる!」


「ついでにモンスター自体を吸収する事で、そのモンスターの能力も使える様にしてくれ!」


「分かった。」


「それから、分からない事があった際の検索システムとして大賢者は必ず必要!」


「それも承知した。」


「それから、もう何かで死にたくは無いから!

体力と魔力量は、最大値にしてくれ!」


「……それが1番難しい。

そんな事をすれば、良くも悪くも世界に異変が起きる可能性が高くなる。

基本的に、一流の戦士と魔法使いの冒険者でも体力と魔力は、500有れば凄いとされている。

だから……」


「なら、1000だ! 体力も魔力量も1000で手を打ってやる。

その他のステータスもそれに準じてくれ!」


「…………分かった。

そのくらいなら、異変も起きないか……少しで済む。」


「それから、顔は前世ままにしてくれ!

俺の知る異世界では、前世の姿のままで色んな女の子に言い寄られてチヤホヤされるのが定番だ。

俺は、元の顔のまま生涯を連れ添うパートナー彼女を見つけたいんだ。

たった1人で、いい!

血縁以上の関係のそんなパートナー女性

だから、元の顔で勝負したいから顔は前世のままにしてくれ!」


「分かった。

その程度なら、問題ない」


「それから……」

『家柄って、意外と大事だよな。

平民よりは、貴族や王族の方が楽出来ると思うし……

しかし、貴族や王族となると色々と厄介ごとも多いか……

俺が知る中で、1番良い人物は誰だろう……?』


俺は、自分の知る中で1番適切な人物を想像した。

そして、辿り着い答えは


「福だ!!!」


福とは、通称【金福かねふく】と呼ばれる人物で、正式名称は【きんふく】俺が知り得る限り!


もっとも、裕福な人物の1人である。


世界的にも有名な【キングループ】の1人息子で、明るい将来が約束されている。


子供の頃からリムジンでの送り迎え付き!


お風呂や着替えなどは、使用人がやってくれる為に何一つ苦労などは無い生活をおくる。


俺も何度そんな生活に憧れた事か……


しかも、金グループは、その莫大な富と権力を持っている為に政治家や総理大臣ですら逆らえないと聞く……


それもまた、裏社会の支配者みたいでカッコいい!!!


だから、俺はなりたい。

福みたいに……

そして、今そのチャンスが……異世界ならそんな望みも叶うかも知れない。


俺は、テンションが爆上がりとなり!!!


神様にお願いをした。


「福だ!!! 福にしてくれ!!!

これは、絶対条件だ!!!」


「服ですか?」


「ああ、そうだ! 

福だ!!! 俺の知る限り。

福が最も幸せだ!!!

移動は、人任せ! 汚れを落とすのも人任せ! 

しかも、将来への不安が全く無い!!!

俺は、そんな人生が送りたい!!!」


「分かりました。

条件は、以上ですね!」


「ああ、福になれるのなら! 他なんて要らないくらいだが……貰える物は貰っておく!」


「分かりました。

確かに服なら何の心配も要らないかも知れませんね。

では、一応サービスとしてスキルポイントを100与えてますので自由に使ってください。」


「おお! サービス良いじゃねーか。」


「では、異世界に転生しますが……

転生した後は、貴方にも世界にも干渉できませんので、ご了承下さい。」


「分かった! 

これだけの好条件なら問題ない!!!

早く異世界に転生してくれ。」


「分かりました。

では、行きます!」


男がそう言うと、周りがまぶしいくらいに光り出した!


そして、俺は一度意識を失うと


目の前が真っ暗の場所にいた。


「…………ここは?」


目の前が真っ暗で何も見えない。


俺は、本当に転生したのか?


騙されてたのでは無いのか?


そんな不安が頭をよぎるなか……


「…………ねぇ……………どお…………?」


「何やら声が聞こえる!?」


そうか! 

もしかして、ここは母親のお腹の中……


俺は、今から産まれるのか!


「パパ、ママ……僕は、ここだよ!

早く出して、僕を可愛がって。」


「………………。」

「……………………。」

「…………………………。」


_________________________________________

あとがき


ゴールデンウィーク中にガンガン投稿します。

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