第38話【貫通と鉄壁】

ハルはまず手始めに翔魂に光線を放つ。

翔魂「速い!しかもなんて精度の光線だ!」

翔魂はそれをギリギリでかわした。しかしもう既にハルは翔魂の懐に潜り込んでいる。

ハル「相手が悪かったですね。すぐに楽にしてあげますよ」

ハルは細い光線を翔魂の右眼に向けて放った。

ピュゥン

翔魂「うおっ!?あぶねえ!!」

ハル「面倒ですね。大人しく消えてください」

そのとき翔魂がカウンターの一撃を放とうとする。しかし

ハル「そのカウンター、利用させていただきますよ」

ピキン...ドゴッ!!

翔魂「がはっ...!」

ハル「高精度の反射ですよ。あなたの攻撃の4倍ぐらいの火力にして返してあげました」

翔魂は危険を感じ、バックステップで距離をとった。

翔魂「まだまだ攻撃だ!」

俺はその時違和感を感じた。なんで翔魂はもう一度攻撃が反射されることを考えないのか。

なんでまた攻撃しようとしているのか。

そんなことを考えていると、ハルが十字架のペンダントを両手で覆い隠し、詠唱を始めた。

ハル「自然、空間、時、そして全ての生物よ。私を信じ、目の前の敵を共に裁きます。どうか力を」

するとハルを球体の高密度なバリアが覆う。

そのとき、なんと翔魂が膨大な力を解放する。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...

セブン「やばい!!なんだこの力は!?」

そのときエイトが脳内で喋る。

エイト「おい!エネルギーランクがS+からSSまで上昇したぞ!まあハルなら勝てるとは思うけどな」

ハル「皆さんが私を信じ、私はそれに応える責務があります。皆さん、共に敵を裁きましょう」

翔魂「バリアなんか意味をなさないぞ!この、貫通閃があれば!!」

ハル「天裁・真てんさい・しん

セブン「ハル!避けろ!あれはやばいぞ!」

そんな声は届かず、両者、技を放った。

ビュゥゥゥゥゥゥン!!!

ゴリッ!!!ザクザクザク!!

セブン「ハルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

翔魂の光線はハルのバリアを貫通し、心臓を貫いた。と、思ったら

ハルにあるはずの傷口が無かったのだ。

そして翔魂は跡形もなく散っていったんだ。

翔魂「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺はすぐにハルのところへ駆け寄る。

セブン「ハル!大丈夫なのか!?」

するとハルは眩しい笑顔で微笑み、俺に言う。

ハル「大丈夫ですよ。心配しないでください」

「ならば我と戦ってもらおう」

そのとき、何者かが現れた。そいつは俺が大嫌いな悪魔で、ものすごい気配を感じる。

「我はアンクリア兄弟の双子の弟、レンだ」

セブン「何の用だ?」

ハル「気配が他のところで感じた悪魔とは比になりませんね。主犯格ですか?」

レン「ご名答。我は貴様らの組織の柱を崩しにしたんだ」

セブン「そうか。てことは戦闘は避けられなさそうだな!」

俺はあえてニヤリと笑って相手に余裕を見せる。するとレンはそれに動じずに構えてきた。

レン「さあこい。お前の力、見せてみろ」

そして、この戦いは泥沼化し、因縁を生み出していく...

次回に続く!

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