第18話【アタックヒーラー】

トンネルを抜けると、森が広がっていた。

セブン「ついたか...ここを越えれば街だぞ」

アリウス「うん?なんか看板があるぞ!」

俺はアリウスが見つけた看板を見る。することそこにはこう書かれてあった。

不気味な森迷い魂の森

セブン「よくよく考えれば魂がふわふわ飛んでるよな」

ライト「さっきの死体族とは違うのか?」

ムニ「お友達じゃない...怖いよ...」

そう言ってムニは泣き出した。そりゃ普通の3歳は泣くよな。まあムニは幽霊族だけど。

アリウス「セブン、とりあえずムニを背負っていけ。道は...こっちしかないな」

ライト「木の間突っ切ればよくないか?」

アリウス「だめだな。バリアがある」

ということで俺たちは森の道に沿って進んでいくことにした。すると急に木の間からゾンビが現れた。

ゾンビ「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

アリウス「ちょん」

ゾンビ「ああああああああ」

ライト「アリウスは怪力なのか?」

アリウス「今まで使えなかったけど力を最大出力にしておけば人差し指でつつくだけでゾンビが消えるんだな」

セブン「消えるというより粉砕してるけど」

ムニ「お姉ちゃんすごい!強いんだね!」

ムニはアリウスの攻撃を見て泣き止んだ。小さな子は目に見える力に憧れるからな...



しばらくして、木の色がオレンジ色になった。そして魂の量も明らかに増えている。するといきなり

「ああああああああ!!」

ザクッ!!!

アリウス「か...かはっ」

なんとアリウスの背中がナイフで刺されていた。それを刺した奴を見ると...

ライト「こいつ...目がやばいぞ!すぐに潰せ!」

ライトはそう言って炎の光線を化け物に当てる。しかし

「おあああああああああ!」

なんと焼き尽くされても動くのだ。しかしゾンビとは思えない。半ゾンビといったところか。

するとムニが俺の背中で暴れ出した。

ムニ「やめて!!怖いの!!」

ピキーン

その時アリウスと半ゾンビが宝石のような結晶に覆われた。そして、アリウスの方の結晶は輝き、半ゾンビの方の結晶は砕け散った。

「あああああああああああああああ...」

アリウス「え?私刺されたんじゃ...」

結晶が溶けてアリウスが出てきた。なんとそのアリウスは刺し傷が消えていた。

ライト「一体どうなってるんだ?」

セブン「ムニ、何かしたのか?」

俺がそう聞くとムニは満面の笑みを浮かべて言った。

ムニ「うん!あたしの生死権王命の結晶でお姉ちゃんを助けたの!ゾンビは怖いから倒しちゃった!」

セブン「そうかそうか〜ムニは偉いな〜」

俺がムニを撫でてやるととあることに気づいた。

セブン(ムニ...ここふわふわしてないか?)

それをかわいいと思いながら、俺たちは先に進むのであった。

ライト「ムニ...攻撃もできて治療もできるのか...強すぎないか?」

アリウス「かわいくて強いのかぁ。仲間にいてよかった」

この言葉をきっかけにムニの二つ名は

愛くるしい二刀流キューティクル・アタックヒーラー

となるのだった。

次回に続く!

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