第二章、関東動乱編

第19話、情勢と佐竹家の思惑


大きな大戦が予想される時がついに来てしまったと思いながら自分はそれに向けて準備をしていた。実は昨日に佐竹が完全に下野を統一したと報告が来たのである。これは想像を超える速さでありこの勢いから行くと自分の勢力だけでは対抗できなくなると思っていた。






現実に流石にこの勢いを見て北条家と同盟を反対をしていた者も北条家と何かしらの条約をしたほうが良いのではないかと言うぐらいに佐竹家の快進撃が続いていた。






そして佐竹家の勢力は奥州まで伸ばし始めていた、勢力をどんどん北にも伸ばして快進撃をして連戦連勝を続けていた。このままでは伊達家も他人事ではない上に奥州では佐竹家に対抗できるのは伊達家、最上家、南部家ぐらいしかいない。






しかも相手は日の出の勢いであり士気は最高潮でありとてもぶつかるのは得策とは言えない。けれども誰かがこの勢いを止めなければならない。でも越後の龍はまだ越後を統一しておらず更に言えば奥州も巨大と言える勢力は伊達家であるがこの伊達家は前に内紛をしており弱体化をしていた。






つまりはそこまでの期待はしてはいけないということだ、もう考えるだけでも佐竹家が悩みの種になるが佐竹家と言う巨大な敵のおかげで北条家とはうまく行けば同盟を結べるかもしれないと思っていた。






それに佐竹家はほかの勢力から良く思われていないらしい、それは佐竹家の当主もそうだしそれを補佐をしている人物も相当な女好きらしく、降伏しても女性はひどい目に遭うみたいで仮に降伏せずに戦っても未亡人だからと言っていい様にされるらしい。






そのために佐竹家に対する反感はいろんな大名家が持っていたがその大名家が連合をして戦った結果が今の状況である。連合した理由で敵に攻めては勝利していた。






そのために最近で関東管領家と奥州探題に任命されている伊達家が同盟を結んだらしい。理由は佐竹家であろうが、それと伊達は最上家、そして奥州で一番勢力を持っているかもしれない南部家と同盟をした。






奥州は完全に佐竹家と戦うつもりらしい、関東管領家も信濃の村上家、甲斐の武田家とも同盟を結んで佐竹家を包囲をしていた。






ここまで強大な包囲網は信長包囲網並じゃないかと思わせる勢力が連合をしていたがそれでも佐竹家はそれで何と言うばかりに勢力を伸ばしていた。






佐竹家と同盟をしている他の勢力はおらず、北条家に実は同盟をしないかと誘いが来たらしいが条件が氏康の娘をこちらに渡すことであったみたいで家族を大切にする氏康にとっては受けいられない内容で断ったらしい。






けれどももし氏康の娘さんを佐竹家が狙っていたら近いうちに攻めてくるだろう、その時は北条家を助けるつもりである。本当に佐竹家の振る舞いは見逃すことができないほどであり戦う必要があった。






それにもし未来人がいるのであれば諏訪姫、吉乃も当然のように狙われることだろうし、家族を守る意味でも戦う必要がある。






分析をしている真里谷家は同盟を正式にしているのは関東管領家でありもし佐竹家が関東管領家に攻めてきたら自分たちが常陸の国に侵攻すること、もしこちらに攻めてきたら関東管領家が下野に攻めることとして約束をしている。






佐竹家は戦いには強いかもしれないけど外交はうまくないなと思っていた。けれどももしかしたらする必要がないだけかもしれない。それほどに強いからと考えていた。






今は状況を見守り、佐竹家の動きに対して対応をして行こうと思いながら動向を見守っているのだった。










そのころ、佐竹家の本拠地である太田城で大名である佐竹義昭が一番信頼できる家臣と共に相談をしていた。それは今後の方針で周りは敵だらけであり状況は良いとは言えない状態を改善するべく動いていた。






「家元、何か良い案はないか。我が国は海を除いたすべての方向に敵がいる、北には伊達家、西には関東管領家、そして南には真里谷家と強力な勢力を持っている。何か策はあるか」






そう言われた家元と言う家臣は笑いながら主である佐竹義昭に対して答えるのであった。






「殿、ご安心をしてください、北の伊達は見せかけで案外弱いです。何も心配はしなくても大丈夫です。西の関東管領家も家臣こそは油断はできませんが主が無能のために恐れることはありません」






それを聞いて佐竹義昭は喜んでいた、己の一番有能で何でもできる家臣である家元をほめていた、そこで最後の真里谷家の対応を聞いてみた。






「真里谷家、正直に言ってこの三家の中では一番厄介です。主である真里谷信政は間違いなく名将でしょう、まともに戦うのは得策ではありません。僅か11歳の時ですでに将としての才能が出ていたことは殿にも理解できていると思います。しかし、そのような真里谷信政にも弱点があります」






それを聞いて佐竹義昭は今まで弱点らしい弱点がないように思えていた、実際に内政や軍略に外交などどこも評価ができる要素があり悪いところなど分からなかったがここで家元が不気味に笑いながら






「弱点とは・・・家臣を信用しすぎること、そして北条家に好意を持っていることです。すでに真里谷家には内通をしている家臣がいくつかいます。その者から当主は北条家と同盟を結びたいらしく。そのために動いていること、そこで真里谷家を滅ぼすことは難しいですが、弱体化をするための策があります」






それを記載している紙を佐竹義昭に渡して内容を確認するとみていた佐竹が笑いだしてこれは素晴らしいと言ってすぐに行動に移すように命令を下した。






家元は御意と言ってその場を後にしたのであった、その時に家元の思惑はそれだけではなかった。実は個人的に調べたことであるが真里谷信政の正室である、諏訪姫を上総の国を調査するときに見かけたことがあった。






それを見た時に家元はまさしく天女がいると思うばかりに心を奪われてしまっていた。そんな彼女が欲しいために佐竹家をうまく利用をしようとしていた。もちろん佐竹家にとっても利益の話であることには変わりはないけど。






それ以上に己に対する利益がでかく、もう確実に彼女を狙っていたのであった。諏訪姫を手に入れるために佐竹家が真里谷家と戦うように仕組んだ。とても簡単で下総の国は常陸の南になり常陸が完全に安全になるためにはどうしてもこの国は欲しかったから誰も疑いはしなかった。






それに殿は北条氏康の娘ばかり目をくらんでいるようで確かに噂では相当美人みたいであるがあの諏訪姫を見た後ではほかの美人などどうでもいい、とにかく諏訪姫は絶対に欲しかった。






そのために諏訪姫に好かれている真里谷信政には非常に強い敵対心が生れていた。あのような天女に好かれていることに憎しみに近い感情を覚えていた。だから真里谷信政には生まれてきたことを後悔させるぐらいまでにしてやると決めていた。






だからこそ、せっかく頑張って家臣にした者たちが裏切ったらどんな顔をするのか。今から考えるだけでも楽しみにである。家臣の買収はかなり大変だったがあの真里谷信政の絶望を感じる表情が見れると思えば何も苦ではなかったが。






そう考えながら己は作戦通りに準備を始めるのであった、これが終われば諏訪姫は己のものになると喜びを感じながらするのだった。








それから間もなく佐竹家は侵攻を開始をした。すでに家元の言う通りに伊達家に猛攻をしたらあっという間に崩壊して伊達家、本家は滅亡をした。そのためにほかにも迎える前線が増えたので佐竹家は北条家が治めている川越城に向けて進軍を開始をしたのであった。






そう、ここを攻めるのは武蔵の国が欲しいは欲しいがこれが目的ではない、関東管領家に真里谷家が援軍が来ることだろう。我々の勢いから見て連合をしなければならないと思うはず、それが狙いだ。






いきなり三家が連合しても統率ができるはずがない、能力は半減するだろう。その間に内通をしている者たちが一気に動き出せば・・・もしすべてがうまく行ったら関東地方はすべて佐竹家のものになるだろう。






そうなれば己は功績でどこか一国をくれるだろう。そこで愛する諏訪姫と新しい生活を始めるのも悪くはないと思いながら家元はゆがんだ笑みを出しているのだった。

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