第4章:集落復興イベント
第35話・第2イベント:はじまりはスローライフ
イベント当日、黒猫と合流する。休みの日だから早めのログイン。畑の世話をし終えてからイベントサーバーへと移動する。イベントサーバーへの移動は簡単であり、ここから時間は加速されるらしい。
「違和感ない?」
「ない」
転移した先は森の中、とりあえず人里目指して進んでいく。気配探知を使い、プレイヤーが集まっている場所へと移動を開始。道中、採取しながら地図作り。
廃村の町にたどり着く。プレイヤーが集まって、今後どうするか、知り合いがいるか確認していた。
「『宝石箱』がいた」
「助かった」
とりあえず『宝石箱』がメンバーを集めて指揮している。それと聖女騎士団という組織。このクランはゲーム内での正式な組織だから、クランというわけではない。全員騎士ロールしていて、遠征という形でイベントに参加しているようだ。
それと中堅として『大工オオエド』と釣りスッキーさんが作った釣り人クランがいるらしい。スッキーさんも会議に参加していた。
「他にも中堅のクランがいるが、少ないな」
全体的に100人ちょっといるだけで少ない。サーバー最大人数は500人だ。村の復興をするべく話し合い。その中でガーネットさんに相談しておく。例のスキルを使うかと。
「んー」
少し悩んだが、まずは各クランの責任者やパーティ責任者と話し合い。その席で条件を飲まないのなら無しと決めたようだ。
「ウチの鍛冶師が、食材と素材の融資をしてくれるらしい。だが個人財産だから、守ることを約束してくれれば、ミルクとタマゴ、蜂蜜と環境世話、糸と布の提供が開始できる」
「マジですか?」
「本当だ。ただしこれは個人財産だからな。勝手に私物化されたり、武器を向けてロストされる可能性がある」
「料理人クラン『クッキンズ』は守るのでタマゴとミルクをください。蜂蜜もあれば助かります!」
「『釣り好き同窓会』も良いぞ。むしろ手を貸してくれて感謝する」
「聖女騎士団も問題なく」
おおむね問題ないらしい。そういうわけで一部を召喚する。ミルクタンクと進化した聖牛。コケッコ達にフェアリーミツバチとパピヨン。
花の種は一部のプレイヤーが持っていて、早速村に配置。蜜集めも始まった。それと共にブラウニー達も召喚。家の復興の手伝いが始まる。
「黒猫は探索?」
「うん。気を付けて、変な奴はいるもん」
それには気を付けないと。クラーラがいて、彼女も友達クランと共に活動している。まずは畑と言って、彼女は畑の手入れを始めた。
自分は素材を使い、寝床やギルドハウスっぽい大きな建物の修復を開始。鍛冶師、薬師、錬金術師のために工房の解放を目指す。
「料理人、薬師、錬金術師、鍛冶師の皆さんは、提供された万能生産場と万能キッチン部屋をマナーを守って使ってください。他にも使いたい人はしばしお待ちを」
それに了承を取り、急いでギルドハウスを復興に入る。
「ノートさんは冷凍室を頼みます。俺らは眠れる部屋と作業部屋を中心にしますね」
「はい」
「燻製室も作れるか? レシピ持ちいますか?」
「はーい」
「それじゃ、冷凍室ができたらすぐにやってください。アシストに何人か連れて行って良いですよ」
「分かりました」
こうして召喚できるテイムモンスターは召喚して全員集まって活動し出す。お昼まで時間が進み、冷凍室が完成して燻製室に取り掛かる。その頃には辺りを確認しに行っていた探索チームも帰ってきて、素材を渡したりしていた。
「部屋持ってきてもらって助かりましたね。おかげでスムーズに薬と武器防具の耐久値回復ができる」
「はい」
こうしてお昼ご飯の時間に、工房もいくつか修復完了。料理人達は燻製室ができてほっとしている。
「助かりました。これでベーコン、ハム、ソーセージ、燻製肉が作れる」
「それらが作れればまずはレパートリーや料理バフに問題は無いな」
「タマゴとミルクも良い物だから、だいぶバフ盛れるわね」
「このミルクでバター作るぞ。それだけでだいぶうまくなる」
少ない食材でやりくりする料理人達。そんな中クラーラ達の方で報告が上がった。
「妖精さんが増えてます」
「仕事してて、その、自分と友誼結びました」
「そうなの?」
妖精に話を聞くと近くで住んでた者らしい。新しい個体なので問題ないことを知り、結んだ者はホッとする。もしかしたら増えたりするのだろうか?
「お兄さんとこにいたときは増えてたんですか?」
「小屋の大きさによってね。とりあえず動物小屋に回りたいな」
「あーそれがいいかもですね。ノートさんの子はレア系みたいだし、生まれたのと友誼結ぼうとする奴現れても不思議じゃない」
というわけで自分は動物小屋を作り出して、工房や眠る部屋を作り出す鍛冶師。薬師は薬を、農家はリファ達と共に畑を作る。妖精がそこそこいて協力している。リーダーはリファのようだ。
「ぎゃう」
メリュジーヌが寂しいからか自分のところにきた。背負いながら作業して動物小屋をそれぞれ作り終えた。動物の世話は『動物愛護会』というテイマークランが責任を取るらしい。正直シルクワームとかもテイムしたいという人がいる。増えた個体とは友誼を結びたいと願い出ているからOKを出しておく。とりあえず最初は問題なく、村の復興は進んでいった。
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