第2章:第一イベント

第16話・イベント開始:だけど別のことしようか

 イベントが始まった。内容は『食糧難』というもので、食品素材を集めて納品するイベントだ。


 冒険者、狩猟ギルドに食べ物を納品することで代金の代わりにポイントがもらえる。イベント後交換リストから欲しいアイテムを交換できるらしい。


 この期間、食品素材を落とすモンスターが出やすくなり、プレイヤーはモンスターを狩り始めた。


 農家プレイヤーでもある自分は、とりあえず野菜を納品することに。


「おめでとうございます。農業ランクがGからランクアップ可能です!」


「おお」


 ここで畑の所持数が上がり、買える種や施設が増えた。増えた種はオレンジキャロット、レットマト、パープルキャベツ、カボカボチャ。


 施設はキノコ小屋という施設で、畑六マスを使用して小屋を建てて、キノコを育てる施設らしい。原木も売られていたり、錬金用のレシピが売られている。


 ウマタケ、シメシメジ、マナキノコが原木で売られていた。これらと畑を購入して準備することに。


 ポイントは畑を維持するだけで貯まりそうだし、狩りはゆっくりやるか。


「黒猫からもらったこれもあるし」


 古代語のレシピ本なんだが、ソロ討伐の報酬らしい。レベルがかなり要求されているが、古代武器のレシピ本なのはわかった。


 古代語のレベルを上げるため、本とにらめっこしてスキルを鍛える。


 後は山頂エリアへ探索しに出向く。行けるところが結構あるから、気が向いたところかにやり始めた。


「ランスディアだ。鹿肉だぞ」


 毒のある武器で戦うのはさすがにと思い、鋼鉄の片手剣を使うことにしている。こうして探索していると、小麦らしいものを発見する。


「黄金小麦と麹麦か」


 二種類の麦を見つけて、採取している。畑はこの前のトレントの実も植えたりと、だいぶ拡大しているところだ。


 山頂へと向かい、上へと上がっていると、エアウイングファルコンという強いモンスターが現れた。


「強すぎ! なんだあれ!?」


 竜巻を二つ発生させて放つ攻撃や、急降下と空からの風魔法攻撃が目立つ。


 近接攻撃ができないから魔法にて戦うのだが、タンクがいないパーティはキツイ。


 装備のおかげで落ちることはないが、ギリギリの戦いが起きる。勝てたのは雷魔法が弱点であったおかげだ。


「投擲もできてよかった」


 投げられる物を全て使い投げて攻撃した。投げナイフとか作った方が良いかもしれない。


 結果、リファを召喚、ガウム落ちて、HPギリギリで勝利できた。二度目は無理。っていうか帰れないかもしれない。


 エリアボス倒したから、パーティ討伐は背中装備の隠密ロープという装備。気配遮断がよくなるらしい。


 ソロ討伐はスロットオーブであった。さすがソロ討伐。


「今度はアクセ開けよう」


 すぐに使用して、転送オーブへと向かう。今度は寒そうな地域になっているため、すぐに戻ることに。


 ドロップアイテムも良い感じだが、装備を作るのに周回とか無理だ。


 そう思いながら、黒猫に話しておく。彼女ならソロ討伐しそうだからね。


 ◇◆◇◆◇


 ガウムが落とされたため、今日は大人しくしてよう。ガウムは初めて負けてキャンキャン言ってミルクタンクに甘えている。


 優しくなでながらご飯を用意してあげて、畑を開けて手に入れた物を増やす。


「装備品は、これは良さそう」


 風属性のモンスターだから風付与と相性は良い。


 エアウイングファルコンの刃羽根を使い、刃羽根のスカートを作る。性能は良さそう。かぎ爪を爪インゴットに変えて片手剣を作る。嘴もインゴット化できたな。


 そうして過ごしていると、黒猫がやってきた。


「勝った」


「もう挑んできたの?」


「敵取ったよ」


 ガウムは嬉しそうに尻尾を振る。よしよしと黒猫が頭を撫でて、内容はソードリザードマンよりも上らしい。


「第二の町のボスより上?」


「うん、確実に上。正直この装備があるから、ソードリザードマンはソロ討伐可能状態なの」


 倒さないのは厄介な人達が狩場を占拠しているから。ソロ討伐をあまりすると目立ってしまうから。えっ?


「知らなかったの? ポイズンタイラントスパイダーとグリズリークラッシャーソロ討伐とパーティ討伐はワールドアナウンスログに載ってる」


「マジか」


「彼奴ら騒いでた隙ついて、ソードリザードマンソロ討伐狙えそう。ざまあwww」


 これは隙を本当に見せたら突くつもりだな。とりあえず今回のボスの素材で作ったスカートを渡す。


「ありがとう」


 大金を渡してくるため、こちらも助かる。


 これからエアウイングファルコン周回するらしい。経験値がたくさん入るからね。こちらもレベルが上がったよ。


 いまは別の場所を調べたり、装備作りした方が良いな。


「ミルクうまうま」


 ホットミルクを飲んでご満悦な黒猫。今日はゆっくりするか。


 本を読みながら、スキル上げをしておこう。というわけで黒猫は周回へと向かい、こちらは本を読み、スキルレベル上げることに。


 次はどこを調べるか、それともモンスターの素材を集めるか。


 考えているウチも楽しいものだ。そう思いながらゆっくりすることにした。

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