第9話・ボス連戦
荒野エリアといえばガチ勢はゴブリンソードの厳選である。初期この先のダンジョンエリアと平地エリア攻略装備として人気が上がる装備であり、特殊効果として攻撃力増加が加わっていた。
その効果の数値によって攻略難易度が変わるため、厳選するプレイヤーがいた。
いまのところ新たに牙インゴット、爪インゴット、骨インゴットが発見されて加工が始まり、一部のレア性能のゴブリンソード以外、価値は下落する。
現状、アサルトウルフの装備品目的に人が集まっている程度であった。現在、自分達のパーティはテイムモンスターが二匹進化。一人はガウム、魔狼である。
進化して【火魔法スキル】を習得、スキルのおかげで火属性は牽制程度、軽い攻撃方法として運用できる。さらに【火属性攻撃スキル】というのが生えて、アーツで火属性攻撃が使用できるようになった。
攻撃力が上がり援護射撃もできるようになったため、活躍の場が増えたところだ。
それとピリフィケーションスライムへと進化したしんじゅはヒーラーに育った。
固定で魔法スロットに【ヒール】と【ピリフィケーション】を習得。聖水と回復ポーションを作ることができるようになり、回復役として活動する。今度聖水を作るつもりだ。
しばらくしてボスモンスターがいるエリア前にたどり着き、プレイヤーが集まってボス待ちしている。まだボスに勝てないだろうが、様子見で行っておこうと思う。
そうして待っていると、ガウムが撫でられていた。
「よしよし」
中学生くらいか小柄な少女であり、レンジャーか盗賊職っぽい恰好をしていた。
「ガウム」
「わん!」
ガウムを呼ぶと返事をして、こんにちはと挨拶。向こうも返してなでなでを続けていると。
「お兄さんもボスチャレンジ?」
「うん。君は、レベル8か。周回かい?」
「うん。牙飾りが欲しくて」
アクセサリー牙飾りは敏捷と攻撃を上げてくれるアクセサリーで、かなり貴重な一品だ。アクセサリー装備を作るのはまだいないから、手に入れるところはドロップ品しかない。
周回したいから回復役のパーティを探しているらしい。いなくてもいいが安定するとのこと。
別に構わないので、こちらに入るか聞くと、ガウムを撫でて良いならと。こうして共にパーティを組むことになる。ちなみにパーティはテイムモンスターを含めて6人まで。
こうして五人パーティになり、アサルトウルフと戦う。さすがに本気で行こう。
「リファ」
「はーい」
「なにそれ」
「召喚魔法だよ。これで戦いやすくなる」
演奏で自然回復量が上がり、彼女こと『黒猫』が接近戦を仕掛ける。
「おおー」
感心するようにダメージを稼ぐ。そう、攻撃微上昇の効果がリファと共に複合する。重なったバフに攻撃力が上がり、援護射撃で【エアカッター】とガウムの攻撃、グリモワールの【ライトニング】が飛ぶ。
回復も安定していて、厄介なアサルトウルフは黒猫にヘイトが向けられている。
正直、敏捷も上がっているからか、黒猫が素早い。
魔法が激突したらすぐさま仕掛けて、ヘイトを自分に向けて、攻撃を躱し続ける。
攻撃で厄介なのは黒猫が知っているから指示を聞いて避けてを繰り返す。
こうしてアサルトウルフを倒すことができた。レベルが上がり、グリモワールがレベル5になる。
「やった」
「いままでで一番安定した」
その後はドロップ品の確認。どちらも『アサルトウルフの牙飾り』は手に入らず、次にレアな尻尾が一つ。他は牙と爪と皮である。
「この子たち凄いね」
「まあね」
しんじゅは白いスライムになり、ぷにぷにした玉のような子。
ガウムは少し大きくなり、真っ黒な中に白い毛並みを持つ立派な狼。
進化するグリモワールは雷の表紙の魔本である。
進化先はライトニングブック。下級雷魔本と別れていたが、ユニーク進化先を選んだ。雷魔法のMP消費を抑え、雷攻撃が得意になった。強化魔法で【エレキブレード】を付与できるようになる。
「しばらくはレベル上げかな。アサルトウルフの装備も気になるし」
「周回する?」
「したいけど」
「手伝ってほしい。ノート達の方がいままでで安定して狩れた」
「そっちが良いならいいよ」
こうしてフレンド登録して、三回周回する。利用する人がいるから4回チャレンジできたのは多い方だ。
だが結局牙飾りは出ず、後日予定が合えばという形になった。
◇◆◇◆◇
鍛冶師ギルドで【裁縫スキル】を取る。裁縫セットという1000Gコースで皮細工、細工も付けて覚えた。
まずはベビーオオカミの皮を細工して作ったりして、作ったハサミと針で装備を作ってはフリマに売る。
魔法もいくつか能力伸ばしでいくつも作った。力を入れるべきは【ファイヤジャベリン】だろう。
風魔法はグリーンスライムが落とすグリーンコアから錬成する風のコア。【トルネード】という魔法を作っては、魔法ショップに納品する。魔法が納品できるようになっていたのだ。
「安定してきたな」
そう受付の人が言ってくれた。その時に鍛冶をたしなんでいるか聞かれた。
「鍛冶しているなら、強化系を揃えておいて損は無いぞ。いまダンジョンエリアから【エンチャントソード】という魔法が卸されてね」
「確か付与魔法の元ですね」
「ああ。雷みたいな上位属性は無理だが、基本属性の四つを無と共に揃えていた方が良いぞ。特別に7000Gで五つ売ってやる」
「安いですね」
「開拓者は【エンチャントソード】を大量に売っているからな。お前さんもそろそろ【魔法作成スキル】を覚えるから、覚えて3くらいにしてから付与魔法作ってみろ。鍛冶と錬金を育てていればいいことが起きるから」
そう言って、少しアサルトウルフの素材を納品して手に入れたお金で、五つも魔法を購入する。タワーシールドや釣り竿が売れていてよかった。
これは黒猫と共にアサルトウルフ周回した方が良いな。しばらくすることを決めて拠点で休んだ。
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