56日目「それで、ご飯が食べられるんですか?」



 あれからよく寝てみて考え直したら、気持ちが変わりました。


 入賞が一体なんだというのでしょう。


 所詮、100万程度でしょ?

 印税とか何とか考えてんのかもだけど、そんなの売れなきゃカスみたいなものです。

 そんなんじゃ生きていけないよ。


 つか、100万なんてバイトでも十分目指せる金額だし。

 職業の年収とか見てますが、会社員でも簡単に稼げる金額ですよね。



 結局さあ、小説家ってやつ自体(特にここみたいなWeb小説)がさ、とっくに旨みのピークを越えちゃってるんだよね。

 よく考えてくださいよ。昔の文豪の作品は、いろんな場所に名前が残ってるよね。小さい作品だって作品集にまとめられたりしてさ。

 でも、今はどう? そんな作品ある? そんな作家います?


 木下椿樹(きのした つばき)さんとか棟里桂悟(むねざと けいご)さんとか?


 でもさ、あの人らは旨みがあった頃から活躍されてたよね? そのときの印象で覚えられてるって感じじゃない?

 とっくに大御所、レジェンドになってるから、覚えられてるってだけじゃない?


 ・・・え、そんなことない?


 だったらさ。


 挙げられる? ここ10年で誕生した、Web小説で後世に名を残しそうな作家の名前。


 ・・・いないんじゃない?


 そうだよね。「魔王の血を継ぐSSS級のエルフ勇者による、最強無敵チートハーレム構築!」なんてタイトル、後世に認められる気がしないもん。



 金にもならない、夢もない。


 要するに・・・


 小説家を目指し、出版会社と手を組むってこと自体がさ・・・


 書籍化・アニメ化の夢(現実逃避)をダシにした・・・


 「やりがい搾取」の構図そのものなんだよね。 


 無様だよね。人生おわりだよ。



 まあ・・・精々ぬか喜びしてればいいですよ。



 負け犬予備軍さん。

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