ハウスキーパーは剣がお好き

第1話 火事

２０１５年５月２３日。

鳥取県立砂丘高校たたら部部室より出火した火の手は旧校舎部活棟を全焼・倒壊させた。この火災での死傷者は死者１名、重軽傷者３０名となり大惨事になってしまった。

第三者委員会より提出された旧校舎火災・倒壊事故報告書より抜粋。

関係者からの聞き取り：

部員Aの調書：

たたら部部室内で簡易たたら製鉄器を使用中に火災が発生した。

部員Bの調書：

たたら部の部員の一人がノロとスグを回収し一輪車で校舎外に搬出中に転倒させてしまい室内の一部に引火し、出火した。

部員Cの調書：

火災発生直後、顧問の指示により部員全員で消火活動が行われたが火のまわりが早く顧問の指示で部員は全員退避させられた。しかし顧問だけは消火活動を続行しており生徒が顧問の携帯電話に連絡したが呼びかけには応じなかった。

警察の現場検証の結果：

２次被害として、１５００度前後であった簡易たたら製鉄器炉内にスプリンクラーの水が噴射され水蒸気爆発を起こしたと考えられる。その後爆発時に飛散した簡易たたら製鉄機内部の高温の鉧（けら）やノロや炭が飛散し、家屋に燃え移り全焼・倒壊したと考えられる。

考察：

今回の火災の最大の原因は十分な広さの無い木造校舎内の一室で、たたら操業を行っていた事に問題が有り、防災意識の低い部活動顧問に問題があったと言わざるを得ない。又、このような部活動を容認していた学校側の落ち度であることも否めない。