愛が重い女【第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト/短歌二十首連作】

タカナシ トーヤ

愛が重い女


美しいものが恋かと問われたら醜いものも恋だと返す



潤ませた唇すぐに色落ちる出会って三日乱れるふたり



ついてこいその一言が聴きたくて決めているのに迷ったふりを



帰り道あなたのことを想うたび涙流れて空が霞むの



また今度そんな声かけいらなくてかけてほしいのあなたの吐息



ほんとうはわかっているよだめなこと傷つくココロ求めるカラダ



神様が授けてくれたこの出会いまだ見ぬ景色私に見せて



通知音はやる気持ちを抑えつつわざと返信遅れさせたり



その瞳合わせてくれるその日まで見つめていたいあなたひとりを



今だけはすべて忘れて独り占め眠るあなたの頬に口付け



恋の色ピンクや白じゃ物足りずあなたの黒に染められたくて



知ってるよ偶然装う帰り道あなたの路線こっちじゃないと



もしかして淡い期待を抱かせつつ気のないそぶりつれないアナタ



終わったと気づいてるけど知らぬふりあなたに抱かれ儚い夢を



あなたしかいらない何も欲しくない出会いがもっと早かったなら



わたしだけ?寂しくなるよ眠る前同じ気持ちであればいいのに



別れよう思ってないのに声に出すあなたの気持ち確かめたくて



金曜の夜に飲むって聞いたから土曜の便びんをにっこり尋ね



目の前で他の女と話してチラ見おとめ心をもてあそぶのね



逢いたいよそんな言葉は言えぬままいい子でいるね我儘言わず





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