不時着×バカンス  —秘密の惑星 グラハ—

龍門花怜

 ヴェルゲール王の第八〇年、スールス天季セツ、二日、無数のあま欠片かけらが蒼天を覆い尽くし、人々はみな怯え驚いて家にこもった。翌三日、東方ロワンの死の砂漠に、天よりあかき巨星が下った。その光はより明るく、紅玉よりあかく、近隣マジュール、プロデュイザン、ヴィルヤ、ラシュテ、リュイーメの各町、マウザリーンの平原の隊商、さらには遠くプランドールびとの住むプラージュの地からも見えたという。

 そして十日後の夜、アパリュの村に三人の異人が現れて言った、「我らは砂漠よりきたりし者」と。

 彼らの一人はくろがね色の髪を持ち、夜の闇をしたがえていた。あとの二人はまばゆい明けの日照の髪を持ち、光で闇を照らし出していた。また、三人のひとみは、紫水晶だった。

 死の砂漠より現れし彼らを、人々は「わざわいついに到れり」と言って、大いに怪しんだ。〈———ヴェリテ書一章一-四〉





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