五月廻り

我社保

第1話 望月圭一

 この世の恐ろしいものがすべて敵とは限らないし、この世の優しいものすべてが味方とも限らないし。

 生きるのって本当に忙しいっすよね。

 まぁどうでもいいんすけど。 

 なんでだと思う? 簡単なことね、これ。

 俺が誰よりも強くて、誰よりもかっこいいからね。

 簡単なことでしょ?

 強くてかっこいい俺の前じゃ、恐ろしいものも優しいものも、誰も彼もが味方になる。

 俺は全部巻き込んで強くなって、誰にも到達し得ないテッペンに立つ。

 それが俺という男がつけるべき「ケジメ」ってやつだ。

 自己紹介が遅れちまって悪い。俺の名前は望月もちづき圭一けいいち

 誰よりもかっこよくて誰よりも強い男だ。

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