第36話

「それでは困ります。こちらが毎回送り迎えもできません」


「い、いや、社長…私が…」


「藤原さんは、仕事に集中してほしいです。こちらは人手不足で、尚巳さんにあまり手をかけられない状況です。もしよろしければ、あなたが尚巳さんを送り届けて頂けないでしょうか?」


「え、…俺?」


「彼氏だそうですね。彼女のやりたいこと、サポートして頂けませんか?」


「…尚巳、モデルそんなにやりたい?」


「うん!楽しいからやる!」


「…」


冬は黙っちゃった。


「あ、あの、尚巳ちゃん!会社で困ったこととかあれば、俺がすぐ対応するから」


藤原さんって優しいよね〜

前好きだったんだぁ。冬と付き合ってないときだったな。


「約束します!だから、モデルをやってほしいです」


「藤原さん、無理強いはよくないですよ?」


「しかし…」


「…わかりました。毎回俺も同席します。仕事のスケジュールも、俺も一緒に決めます。それでもいいですか?」


「もちろんです」


「だから、尚巳…モデルの仕事していいよ」


「えー!やったぁー!」

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