ゲームクリエイター(仮)とエルフの性欲の芽
第9話 ゲームクリエイター(仮)のデート
ここから先のエロいシーンはカクヨムで過激な描写として投稿できません。10 12 13話は非公開にしています。
読みたい方はノクターンかハーメルンへどうぞ
◇◆◇◆◇◆
2人の新しい生活が始まった。翠(みどり)は大学に通い、新(あらた)は専門学校に通う。引越しと学校の準備で1ヶ月ぶりの再会。お互いの忙しさから開放されて久しぶりのデート。
「翠、おまたせ〜、待った?」
相変わらず彼女は待ち合わせ時間より早く来ている。僕だって20分前には着いたのに。
「少しね、新も早く来てくれたね」と笑顔を見せる。
心地よい温もりと爽やかな風が春の終わりを告げている。
高校までの制服と違い、彼女の私服姿は大人っぽさを見せている。
白のノースリーブのワンピース。スカイブルーのカーディガンを羽織っていた。転生したエルフの私服はその場で崇めたくなるほどに僕の心臓を鷲掴みにする。
彼女は大学でも人気らしく、さまざまなサークルから勧誘が後を絶えないらしい。
(同人誌なら、チャラ男のテニスサークルに誘われて乱行するな……)
その点彼女は見た目で判断する男達に、見下すような目線を向けて全ての誘いを断っているだろう。見た訳じゃないけど想像できる。
「じゃあ、お昼いこw」と白い手を僕の前に出した。
「うん」
僕も手を出して繋ぐ。歩いて20分くらいのカフェを目指した。
結んだ手はお互いの気持ちを表すように、指と指を絡めあっている。
お互いに“翠”“新”と呼び捨てで話していると、本当に付き合っているんだと実感する。
彼女は「全く運動しないの?」と言って、僕を外に連れ出してくれた。
僕は家でも学校でも毎日にゲーム作成に勤しんでいる。ゲーム作成にはプログラムの勉強だけじゃなく、ドットの打ち方から、シナリオ作成までたくさんの知識と経験が必要になる。
そのために小説や漫画を毎日読んでいた。
「漫画は自分が楽しむためでしょw」
「半分は当たってる。いや8割かなw」
デートコースは特に決めずに気の向くままに歩き回っていた。デートどころか外に出ることも少ない僕は手を引かれるままについていった。デートというより飼い犬の散歩かな?
◇
カフェでランチを楽しみ、町を散策していると、太陽が2人の影を大きくしていた。
緊張しながらも今夜のことを切り出す。
「今日は……何時まで大丈夫……なのかな?」
目を逸らし恥ずかしそうな顔で下を向いた。
「……今日じゃなくて、明日まで大丈夫……」
そう。彼女は明日までって言った。夜でも夜中でもない。朝日を同じ部屋で迎えることだ。
朝チュンなんて漫画の中だけでしか見た事ない。
エロ同人誌なら朝までヤッてる。僕にそんな体力ないけど。
「じゃぁ僕の家に行こうか」
「うん。新の部屋見てみたい」
見るだけで終わりじゃないよね。なんて思いながら電車を乗り継ぎ、駅で降りて20分くらい歩いてアパートに着いた。
「どうぞ」と扉を開けて彼女を先に入れる。
リビングに入ると「部屋綺麗にしてるのね」と言ってくれた。
「ははwまぁね」
苦労のし甲斐があった。
彼女が来ることを想定して、2晩掛けて掃除した。掃除はマイナスをゼロにする作業だ。実家で部屋の掃除はした事がなく、母親のありがたみが身に沁みる。
ワンルームのアパートにはベッドと勉強机とPC用のテーブルと2人がけのソファが置いてある。
「ソファに掛けて。紅茶でいい?」
コーヒーもあるけど、キスをするときにコーヒーの匂いを避けるためにあえて紅茶にした。
「うん、ありがとう」
キョロキョロと周りを見る。部屋を見渡す目は好奇心に溢れていた。
「このパソコンでゲーム作ってるのね」
「あ、うん」
万が一見られても大丈夫なように、デスクトップにはエロゲのアイコンは残っていない。
百万が一立ち上がっても、新規ユーザーで立ち上がるように変更してあるから、プログラムを見られても大丈夫だろう。
紅茶を持ってテーブルに置く。
「どうぞ」
「ありがとう」
実家では紅茶を淹れることは全くない。お母さんが絶対に必要になるからとマグカップと一緒に入れてくれた。
なぜマグカップを2つ入れるのかを聞いたら「彼女、翠ちゃん遊びに来るんでしょ?」なんてぬかしやがる。全部ばれていたなんて知らなかった。
コーヒーじゃなく紅茶を淹れた事も、部屋に連れ込んでキスをすることまで想定済みなのか?
2人でソファに座り、何をしていいのか分からす少しの沈黙。お互いに初恋人だけに何をしていいかわからなくなる。僕が紅茶を置くと彼女もテーブルに置いた。
「翠」
「新」
見つめ合って名前を呼び合い、2人の距離が近づいていく。お互いに人生2回目のキス。初めてのキスもプニプニした唇が気持ちよくて、何度も思い出してた。2回目は僕の部屋だから誰にも気兼ねなくできるんだよな。
唇が触れる寸前。
「あ、電気消していい?」
「あ、うん」
本当はキスした時の顔を見たかったけど、彼女が求めるなら消すしかない。今回だけじゃないんだ。これからの人生50年以上に渡って数えきれない回数のキスをするんだ。
パチッ!
部屋が暗くなり気配だけを感じる。
ソファに座って手を握る。彼女も緊張してるのか、握ってる手に汗をかいていた。ゆっくりと顔を近づけると鼻先が触れる。僕が少し顔を傾かせると、口と口が触れ合った。
チュッ
チュッ、チュッ
「大好き」
「私も、大好き」
“好き”と言葉にすると、耳から入った言葉が心を温めてくれる。電話で話した時も“大好き”“愛してる”って伝えてるけど、目の前で触れ合って、息を感じながら聞く“大好き”は僕の心を高揚させる。
腰に手を当てて口角にキスをする。
「……あ……」
唇を頬に寄せてキスをする。
「……ん……」
彼女の吐息が耳に当たる。僕のキスで感じているのかな。キスだけで感じるか分からないけど、熱い息が耳をくすぐる。
腰から胸に手を当てる。ワンピース越しのブラに触れると、柔らかい感触が手のひらに伝わる。布越しだけど、初めて触ったおっぱい。同人誌やゲームじゃ絶対に味わえない感触は、暖かく柔らかくモチモチして気持ちよかった。
「……んっ……」
感じてくれてる。童貞の僕が翠のおっぱいを触って感じるんだ。エロゲもまんざら嘘じゃないのかな。
「あ! ちょっと待って!」とおっぱいに集中しすぎた僕の漢を自制させる。
「シャワー……いいかな……」と恥ずかしそうな声で話してくる。1日歩いた体だから気になるのだろう。それも想定していて、新しいタオルと歯磨きを用意しておいた。
「うん、ちょっと待って」と言ってライトを点けると熱を帯びた彼女が、恥ずかしそうに目を逸らしている。
彼女の手を引き「お風呂こっちだよ」と教えてあげる。洗面所にタオルと歯磨きがあることを伝えてリビングに戻った。
「ねぇ、新?」と扉を少し開けて顔を出した。
「もしかして私と“する”ことを想定して用意してた?」
「は、はは……うん」ここまで用意したならバレるのは当然だろう。
「ふふwありがとね」と言って扉を閉める。できれば一緒に入りたいけど、絶対に断られるだろう。
遠くからシャワーの音が聞こえる。体に羽織っていた布地が全て取り払われた姿。シャワーから流れる飛沫が身体中に浴びせられ、弾かれていく。想像しただけでムスコが大きくなり、妄想だけで自慰行為をしたくなる。
「ダメだダメだ……妄想を膨らませちゃいけない! 今日は本物なんだ! リアルな人間としちゃうんだ! 。準備しなきゃ」と言ってベッドへ移動する。
枕の下のコンドーム。何かあった時のタオル2枚。ボックスティッシュ。翠のパジャマ代わりのTシャツ。
彼女がお風呂を出た時に体を拭くタオルと、胸からお尻まで隠せる大きいタオルも脱衣所に置いてある。クローゼットには彼女の服をかけるためのハンガーも用意してあった。
これで万全か……
シャワーを浴び終わったのか、ドライヤーの音が聞こえる。
「彼女が出てきたら僕もシャワーを浴びてしっかり洗わないと……」と言ってムスコを見る。
お前が活躍する最大の山場だぞ! 僕が劇で頑張ったみたいにお前も頑張れよ! と脳内で応援していた。
カチャ
「お待たせ」白いバスタオルが巻かれ、軽く乾かした栗毛の髪が肩に掛かっている。腕から肩のラインと肩甲骨の凹みが女性らしさを強調していた。洗い立てのスッピンの顔が節目がちにこちらを見ている。
制服もすごく似合っていた。私服もバチクソ可愛かった。でもバスタオルは可愛さと綺麗さに加えて……エ、エロい!
彼女はソファじゃなくベッドに座る。僕がソファに座ってるのにだ! 数十分後にはそのベッドで! と妄想が広がる前に自我を取り戻して
「じ、じゃあ僕も浴びてくるね」とそそくさと脱衣所に向かう。
ヤバかった! ムスコが暴れ出して暴走しそうだ! 見ただけでこれだけの破壊力だぞ! 戦闘力高杉だろ!
彼女だって未経験なんだ。僕がリードしてあげなくちゃ。と熱いムスコに冷静さを取り戻させる。
サッと脱いでバッとシャワーを浴びる。念入りに歯磨きをして準備万端。下着は着ずに下半身にタオルを巻いて脱衣所の扉を開ける。部屋は電気が消され暗くなっていた。
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