小説家は人を殺すか
ぴえ
プロローグ
プロローグ
『人気ラノベ作家の夢カタル先生の失踪ってマジ?』
『人気って言うほど人気かその先生』
『アニメ化も決まっていたし、人気でいいだろ』
『色々更新止まってるもんなぁ』
『捕まったとか? 夢カタル先生終了のお知らせが必要か?』
『過労死の可能性もあるんじゃね?』
『そうだとしたら家族や出版社が公表してるだろ。SNSもあるんだし』
『どちらにしろ公式が何か発表しろ』
そんな文字が踊る画面を見ながら、俺は関係ない、関係ない、と文字ではなく言葉で呟く。その裏腹に確証にも近い感触が手には残っていて、思い出せる。その後の行動も――
いや、違う。あれは夢だったはずだ。そうであってくれ。
夢は夢でも紛れもない悪夢……だが、それでも、夢ならば現実よりもはるかに良い。笑い話になるのだから。
あぁ、あれは天恵だったんじゃないのか?
あぁ、何で俺はこんなに苦しんでいるんだ?
あぁ、本当は歓喜の感情のみで満たされているはずなのに。
あぁ、あぁ――いつからだ? 何でこんなことになった?
あぁ、そうだ。俺がラストチャンスと決意して作品を書き始めた頃だから……かれこれ、一年前か。
いや、違う。
それよりも前――夢カタルの書籍化が決まった頃からだ。それが今に繋がっているんだ。
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