亜細亜の村 ~ 闇の名残

幻と現世うつしよの架け橋は夢

溶解剤のように

境界を溶かし

緩衝剤のように

衝撃を和らげる


美しすぎるものは夢

文字にすると

きれいな詩になってしまう


哀しすぎるものは夢

永遠を信じられなくて

半眼で眺める



暗い道のりを旅する一冊の書は

覚醒しながら見る夢のようだ


旅の途中

墨色のグラデーションのなか

黒に潜む色を探して

闇に埋もれそうな

赤い娼楼の提灯を見た


それは

50年前の亜細亜の一隅の

名前にルビがふられた

村の風景だった


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16817139558684103443

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