2024年10月23日 01:00 編集済
4.名前星への応援コメント
生きてる、と思いました。こんな風な感想はおかしいかも知れませんが、夜に野良猫に出会ったような、校庭の隅に花を見つけたような。とにかく文章の中で、ちゃんとみんなが生命を持って、生々しく素敵に生きていました。昔から恋の心理描写が上手い印象のある朝田さんの筆が、時を経てこんなにも繊細に人間を描き出していることに、強く感動しました。 心に飼う悪魔から「さみしい」が素直に言えない胡音と、そんな悪魔や感情に寄り添えない北斗。ふたりの歪で味のしないケーキもすべて、実態を持ってそこにあります。その後の胡音の感情の変化も魅力的で、乱暴になって走り、わからなくなって泣いて、思い出して口角が上がる。デフォルメされてない、人間の美しさを感じました。 そして生きているのは胡音だけではありません。お母さんもまた、力強く恋をしています。胡音が小さい頃、ベランダに出てたお母さんもきっと「なにかあった」に違いありません。それは胡音と北斗のような、夫婦喧嘩かもしれません。家事や育児に追われて、ふと気を抜いたときに、昔みたいに愛されたいって思う。そんな感情がベランダに立ち込めているように思えます。 お母さんは、お父さんと大学の天文学サークルで出会ったと仮定して読みました。そこでは娘(胡音)と同じように、父と星を繋いだ青春があって。昔からしていた「ベランダで星を見る」という行為に、より深い意味付けがされたのではないかと考えました。ベランダは母娘にとって、日常とは切り離された異世界で、女の子になれる場所。世代間に渡るふたつの恋に、胸が鳴りました。 すべてを話していてはキリがないので、最後にひとつ。財布を振っておねがいした「北斗の願いが叶いますように」というセリフが恋愛の全てを物語っていると思いました。こんなにも強く透き通った感情があるでしょうか。私が好き、なんてどうでもいいのです。ただ好きな人にはしあわせになってほしい、私もいつも考えていることなので、涙が出てしまいました。 素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
初めて、いただいた感想を読んで涙がこぼれました。>時を経てこんなにも繊細に人間を描き出している↑最近は本当にリアリティを求めて繊細に描くことを意識しているので、読者の方からも成長を感じていただけたことがとてもとても安心しました。設定の奥の奥の部分まで読み取っていただけたことも大変嬉しく思います。こちらこそ読んでいただき、素敵なご感想をいただき誠にありがとうございました。
2024年4月30日 09:48
主人公の揺れ動く気持ちがとても繊細に描かれていて、心に沁みました。素敵な作品ですね。夜空を見上げると月や星に力をもらえる気がします。
めちゃくちゃ嬉しいです、ありがとうございます!私も地元に帰ると田舎で夜空をよく見上げて元気もらってます。読んでいただきありがとうございました!!!!!!
2024年4月29日 22:17
一気に読了でした。今日は曇って星が見えませんでしたが、ベランダに出て風に当たりに行きました。素敵な作品を爆誕させてくれてありがとうございます。
ありがとうございます!寝る前に外の風に当たると、ほんとに気持ちいいのでおすすめです!!!こちらこそ、読んでいただきありがとうございます。
編集済
4.名前星への応援コメント
生きてる、と思いました。こんな風な感想はおかしいかも知れませんが、夜に野良猫に出会ったような、校庭の隅に花を見つけたような。とにかく文章の中で、ちゃんとみんなが生命を持って、生々しく素敵に生きていました。昔から恋の心理描写が上手い印象のある朝田さんの筆が、時を経てこんなにも繊細に人間を描き出していることに、強く感動しました。
心に飼う悪魔から「さみしい」が素直に言えない胡音と、そんな悪魔や感情に寄り添えない北斗。ふたりの歪で味のしないケーキもすべて、実態を持ってそこにあります。その後の胡音の感情の変化も魅力的で、乱暴になって走り、わからなくなって泣いて、思い出して口角が上がる。デフォルメされてない、人間の美しさを感じました。
そして生きているのは胡音だけではありません。お母さんもまた、力強く恋をしています。胡音が小さい頃、ベランダに出てたお母さんもきっと「なにかあった」に違いありません。それは胡音と北斗のような、夫婦喧嘩かもしれません。家事や育児に追われて、ふと気を抜いたときに、昔みたいに愛されたいって思う。そんな感情がベランダに立ち込めているように思えます。
お母さんは、お父さんと大学の天文学サークルで出会ったと仮定して読みました。そこでは娘(胡音)と同じように、父と星を繋いだ青春があって。昔からしていた「ベランダで星を見る」という行為に、より深い意味付けがされたのではないかと考えました。ベランダは母娘にとって、日常とは切り離された異世界で、女の子になれる場所。世代間に渡るふたつの恋に、胸が鳴りました。
すべてを話していてはキリがないので、最後にひとつ。財布を振っておねがいした「北斗の願いが叶いますように」というセリフが恋愛の全てを物語っていると思いました。こんなにも強く透き通った感情があるでしょうか。私が好き、なんてどうでもいいのです。ただ好きな人にはしあわせになってほしい、私もいつも考えていることなので、涙が出てしまいました。
素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
初めて、いただいた感想を読んで涙がこぼれました。
>時を経てこんなにも繊細に人間を描き出している
↑最近は本当にリアリティを求めて繊細に描くことを意識しているので、読者の方からも成長を感じていただけたことがとてもとても安心しました。
設定の奥の奥の部分まで読み取っていただけたことも大変嬉しく思います。
こちらこそ読んでいただき、素敵なご感想をいただき誠にありがとうございました。