久しぶりにきみの夢を見たよ

双葉紫明

第1話 正解

 夜になると僕らの家にきみの旦那が帰って来た。僕の目の前で言い争うきみと彼。彼は髪の短い実直そうなトラックの運転手だ。口論の末「わたしあっちで寝るから」と道を一本挟んだ建物に入って行った。あっちにはもうひとり男が居る事を僕は知っている。

 残された男二人。僕は彼に「元夫婦って嘘でしょ?」と聞く。「なんでわかったんだ?」と驚きトラックに乗って走り去る彼。

 ふと道の向こうを見ると、背の高い男ときみが仲良さげに歩いてる。夜、部屋着のままでコンビニでも行くのだろうか?きみは男とお揃いの、何か動物の耳が付いたフードみたいなの被ってる。近付き僕を認めたふたり、男は茶髪でチャラそうな中途半端なイケメン。その冷淡な視線で僕を見下ろす。

 「彼の方が、好きでしょ?」と僕に聞かれたきみは、笑いながら「え、うん」と頷く。

 「良かった」僕は立ち去りながら、ああでももうきみとセックス出来ないんだ。あの男、ちんこもでかいのかな?と考えた。

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