〝ひどい詩を書いていました〟【弾き語り】
ひどいウタを書いていた
あの頃の僕は宝石でした
美しいウタを書いている
今の僕はタイヤです
海岸に打ち上げられたタイヤでした
いつか朽ちてしまう
神さまからのおくりもの
失くさないよう願うのは
過ぎた望みでしょうか?
僕にはわかりません
わからないから
簡単に取り出せないよう
チラシの裏に書いたのは
ひしゃげた世界への愛でした
だれの目にも止まらない
月の背後でかがやいた
宝石のようなウタでした
ゆらゆらと消えていく
神さまからのおくりもの
失くしてから気づいたのは
愚かなことでしょうか?
僕にはわかりません
わからないまま
だれにも悟られないよう
隠しながら生きています
白い色紙に書いているのは
ありきたりな人類への愛です
だれかに届くと知っている
夜空の上にかがやく
美しい恋のウタでした
ひどいウタを書いていた
あの頃の僕は宝石でした
美しいウタを書いている
今の僕はタイヤです
もう錆びついて走れない
海岸に打ち上げられたタイヤでした
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