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⭐︎〝あした世界が終わります〟
あした世界が終わります
そんな使い古された仮定の話が
テレビのニュースから流れてきた
画面に映るくたびれた顔の大統領が
どこかヒトゴトのような口調で
原稿を読み上げていた
あした世界が終わるとしたら
そんな使い古された仮定の話を
真剣に考えた昼休み
はぐれモノたちの棲む
煤けた体育倉庫の床には
ガラスのような夢のカケラが
ミツバチのように転がっていた
どうやら本当に起こるらしい
ハニーシロップをパンにかけていると
隣に住む大学生が
絶望した声で叫んでいた
闘わせた僕らの何人が
あすという日を迎えるのだろう
歩道橋を曲がった先で
ふと見上げた空の上に
火球がまっしろに光っていった
現実になった芝生の上で
星たちが流れるさまを見送った
深夜零時五分前
何も変わらない空に向かって手をのばしながら
僕はそっと呟いた
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