〝きみはベテルギウス〟

きらきらとひかる星に

届くかもしれないと思って

僕は手を伸ばしてみた

でもやっぱり届くことはなくて

まるで彼女みたいだと

呟いた僕のといきが

十二月の空に消えていった


いつもの公園でふたり

きみは僕にむかって言った

わたしね、好きな人がいるの、と

僕はきみにたずねた

誰なのかは、きいてもいいのか、と

遠回しの告白だと期待して


そんな都合の良いことなんて

あるはずもないのに

恥ずかしそうにきみが呟いたのは

別のやつの名前だった


お願い、わたしを助けて

きみが頭を下げるのを

僕がどんな気持ちで眺めていたのか

言ってしまえれば楽になるのだろうか


そんな都合の良いことなんて

できるはずもないのに

ベテルギウスが真っ赤に輝く空のしたで

任せろ、と僕は答えていた

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