デザイアゼロ/ラストレコード 

加賀美うつせ

終章【失われた奇跡という名の物語】

『これまでのあらすじ』

【第一章】

新境地での生活を始めたミハルはアスカと運命的な出逢いを果たす。かつて失った大切な人と瓜二つな彼女は『Re:the-end game』という異世界を舞台に繰り広げられるサバイバルゲームに参加するプレイヤーだった。ゲームをクリアすれば願いが叶う。そんな戦いに身を投じるアスカを救うため、ミハルもプレイヤーとなり、アスカと共にゲーム世界を生き抜くことを誓うのだった。


【第二章】

ゲーム初日を生き抜いたミハルは新生活と束の間の安楽を噛み締めていた。そんな時、ミアハが来襲、ミハルをチームに引き入れようとアスカを拉致するなど強引な手に出る。

ミアハの試練を切り抜けアスカを取り戻そうとするミハルはユウトから戦い方を学ぶ。ミアハの試練は鍛えたアスカとの一騎打ちだった。

戦いを終えたミハルは半ば強引であるがチームに加入、レンタロウやセナなど愉快な仲間達が出迎えてくれた。

ミアハの教育のもとミハル達は急激にランクアップを果たすも、どういうわけかアスカはランクが50から上がらないことが判明。

一日の終わり頃、ミアハは異常な強さを持つミハルの、その過去について問う。凄惨な運命のもとに生きるミハルをミアハはそれでも仲間として受け入れるのだった。


【第三章】

大規模イベント・バトルロワイヤルに参加する面々。そこでミハルは一之瀬流の元門下生の椿葵と再会する。ヴィジランテに所属する彼女もまたイベントに参加するプレイヤーだった。

運営の指揮の元、バトルロワイヤルが開始。数々の戦いを潜り抜け、ミハルは葵と一騎打ちの戦いを演じる。

戦いはヴィジランテの勝利に終わったが、事態が急変、運営はミハルが持つ『封印制度』が違法だと制裁を下さんと動き出すのだった。運営が差し向けたコーディネーターなどの手から潜り抜け、逃走を試みるもミハルは限界を迎え、内なる悪魔が暴走。そのピンチを救ったのは、かつて研究所で共に過ごした妹・フウラだった。

ミアハの助太刀もあり、窮地を抜けたミハルはその後、フウラから介抱を受けることになるのだった。


【第四章】

再会したフウラとひと時の時間を過ごすミハル。そんな時、運営のカラスマと現実世界で邂逅。アウトローの八雲を倒してほしいと協力を煽がれる。そしてまたタケトラから親友のリュージを救ってほしいと頼まれるのだった。奇しくもアウトローが絡む二つの依頼を追うミハルはやがて兄弟の生き残りである八雲と再会を果たす。

戦いの最中、ミハル達の前に因縁の相手、櫻井博士が現れ変貌したリュージを差し向ける。苦戦を強いられながらも二人はリュージを撃破。だが、ミハルはまた内なる悪魔の侵食を悪化させてしまうのだった。


【第五章】

櫻井博士の出現以降、ミハルは心と体が蝕まれ、限界を迎えようとしていた。ミハルは櫻井創一の行方を追う。そんな折、フィニスから真実を聞いたミハルは怒りと憎しみに飲み込まれる。アスカと櫻井創一に繋がりがあると知ったミハルは、彼女を通して櫻井創一と対峙、ルシアアルターを退け、フィニスの複製を身に宿す彼とオリジナルを持つミハルが互いの力をぶつけ合い、やがてミハルは櫻井にトドメを刺さんと刃を振り上げた。

復讐に取り憑かれたミハルの前に現れたのはアスカだった。一之瀬真昼の力を受け継いだアスカはフィニスを退け、ミハルの危機を救う。

そして、駆け付けたエドとフウラにより事態は収拾。

憎しみと悲しみの虚しさを痛感したミハルは、己を見つめ直す。

もう二度と誰も傷付けないと心に誓うのだった。


【特別編】

孤児院での生活に安らぎを感じるミハル。そんな中、宝探しゲームが開催される運びとなり、イベントへ向かう。新しい武器を見つけんと張り切るミハル達の前に、最後の神斬刀が舞い降りる。


ゲームにかける願いとは何か、何が正解なのか自問自答するミハル。彼はルシアについて、彼女を知る者から話を聞く。そして、彼女の母親であるエドはミハルとフウラに娘を救ってほしいと願いを託す。

これまでの日々と戦いを通してミハルは、長らく答えが見つからなかったゲームクリアの条件に辿り着くのだった。

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