第5話 モンスターガチャを回さなくては!!

 その現れた魔物はウツボカブラのような見た目をしていた。壺のような形状をしていて毒々しい黄色っぽい色合いであった。


「ちょ‥‥‥目的のウツボットです‥‥‥キャ―!!」


 現れたウツボットはつるを伸ばしてオリビアを捕まえたのである。


「こ‥‥‥こいつがウツボット‥‥‥!」


「い‥‥‥痛いですわ。早く助けてくだ‥‥‥さ‥‥‥い」


 ウツボットはオリビアを捕まえていたつるをさらに締め上げたのである。そのせいで、オリビアは激しい痛みのため悲鳴を上げたのである。


「いっ‥‥‥いま助けます!!」


 俺はオリビアの方に向かおうとした。


「いけませんわ。わたくしの元にきてわ」


「えっ‥‥‥!」


 すると、俺の足元からつるが出てきて、俺の身体を伝ってきていた。気づいたときには俺はつるに縛りあげられていたのである。


「そ‥‥‥そんな‥‥‥ダイスケまでつかまってしまうなんて‥‥‥!」


 絶体絶命のピンチであった。縛りあげられているため身動きができずにいたのである。このままではヤバい‥‥‥!


 しかもウツボットは、俺達を頭から中に入れようとしていた。


 ウツボの中には消化液があると聞く、このまま入れられてしまえば俺達は解かされてしまう‥‥‥!!


 絶体絶命だ!! そう思ったとき、ポケットの中に入れたものを思い出した。あれを使えば‥‥‥!!


 おれは能力を使うように念じたのである。すると声が聞こえてきた。


「いまあなたはモンスターコインを持っています。能力を使用しますか?」


 もちろんYesだ!!


 すると奇妙な音が聞こえてきた。


”ガチャ、ガチャ、ガチャを引こうぜ、G・T・Y・A・P・O・N、”ガチャポン”!!”


 目の前に再びガチャポンが現れたのだ。


 このガチャポンが現れると、俺の身体を縛っていたつるが消えていた。まるで俺だけ別の空間にいるようだった。


 だが、悩んでいる暇はない今すぐにガチャポンをひかなくては!


 俺はすぐさま持っているモンスターコインをそのガチャポンに入れ、回した。すると、大きなカプセルが出口から出て俺の上に再び落ちてきた。


「ま‥‥‥また、このパタ~ンかよ~!」


 カプセルが開かれて光に包みこまれた。そして光が消え去ると目の前になんと!! モンスターがいたのだ。


 そのモンスターは紫色の鱗を身にまとい多くの鋭利な牙を持ち黄色い目をしたドラゴンであった。しかし、大きさは想像していたドラゴンの大きさより小さかった。


 すると再び声が聞こえてきた。


「あなたが回したガチャポンはモンスターガチャです。そして出てきたモンスターは、イエローアイズドパープルドラゴンのべビーです!! これがそのモンスターの駒になります」


 俺の手元にはモンスターの駒があった。


「その駒を出しながら”登場”と言えばモンスターが姿を現します。この駒は持っているアイテムを改造した中にこれから入れてくださいね!!」


「えっ! アイテムを改造‥‥‥」


 俺は腕につけていたアイテムを見た。すると、大きくなっており中央にドーム状のものができていたのである。


 しかも、ドーム状の周りは人生ゲームのルーレットのような見た目になっていたのである。


「ではこれにて失礼します!」


 えっ‥‥‥これで消えるのかよ! まだ説明不足だろ! ふざけるな~!


 そんな時だった!! ウツボットがつるでドラゴンに攻撃しようとしたのである。


 俺はというと再びつるに縛り上げられていた。


「ドラゴンお前は回避することもできるはずだ。回避しろ!!」


 すると、ドラゴンは回避して空中をさらに高くとんだ。


 俺は唖然としていた。オリビアはというと気絶していた‥‥‥!!


 ウツボットは、ドラゴンを捕まえようとつるを最大限まで伸ばそうとしていたのである。


「イエローアイズドパープルドラゴンなんでもいいこいつを今すぐ攻撃しろ!!」


 すると、ドラゴンは口からエネルギーを集結していた。そこに、つるが伸びて着ようとしていたのである。


 だが、捕まる前にドラゴンはエネルギーを集結することが完了したのかその塊をウツボットに向けてはなったのである。


 その高エネルギーの火炎のようなものはウツボットに直撃した。


「ンボボボボオオウオー!!」


 ウツボットは悲鳴をあげながら全身焼かれていた。そしてしばらくして焼き尽くされたウツボットは息絶えたのである。


 俺とオリビアを縛っていたつるは緩まり、解き放たれて俺達は地面に落ちた。


「いててててて!!」

 

 俺は痛がりながらもオリビアの方に向かったのである。


 オリビアは気絶していて、悲鳴も上げていなかった。しかし、呼吸はあったので無事だと判断した。


 ドラゴンはというと姿を忽然と消していた。役目を終えて消えたのであろう。


 俺は持っている駒をアイテムのドーム状の中に入れた。


 俺は魔物を倒して満足していた。すると、近くに何やらコインが落ちていた。


「これは‥‥‥モンスターコインじゃないか!!」


 俺はそのコインを拾い再びガチャポンを回そうとした。果たして次はどのようなガチャポンを回せるのだろうか!?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る