第11話 『スイッチ、発見』

「お、あった、あった」



 その声が、発せらた直後です。

 スイッチを探してまさぐっていたドク博士の右手が、飲み込まれるようにタイムマシンの内側に少しだけ沈みました。それと同時か、少し遅れて、ドク博士の胸の高さにあるタイムマシンの表面に青い点の様なものが入ります。青い点は、とても斬れ味の良い刃物で切られたかのように『するり』と左右に線を引き、そのままドク博士の両腕の幅まで伸びて行くと、線はそこから床に向かって下降、ドク博士のお腹辺りで止まりました。


 一拍の間を置いて、長方形の操作パネルがドク博士の手前に、『ぱたり』と倒れてきます。


 即座に助手くんが突っ込みます。



「スイッチを探し初メタ場所と、同ジ所じゃナイですカ」


「まあ、そう言うな」



 ドク博士は、倒れて来た側の操作パネルに右手を置きながら、左半身を助手くんに向けると、左手で『おいで、おいで』します。



「ほれ、助手くんもこっちに来い。操作パネルを見せてやろう」



 その顔には、操作パネルを見つけた嬉しさからか、笑みが浮かんでいました。

 助手くんは、招かれるままに操作パネルの手前、ドク博士の左隣りに移動します。

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