第3話 『謎の音声』

 溶接してはお面をずらして確認し、ある程度溶接を終えると身体を伸ばして一息つく――

 

 それを何度目か繰り返した時でしょうか……ドク博士は、突如左手に持っていたお面を後ろに放り投げ、こう叫んだのでした。


 「出来た!!」と。



 その時です。後ろの方から、ぱちぱちと手を叩く音と合わせるように、こんな擬似的な機械音声が聞こえて来たのです。


「おメデトうゴざいまス。博士」


「うむ、ありがとう。ありがとう」


 腕組みをし、首を縦に振りながら条件反射的に返事をしてしまうドク博士。ですが、何かおかしいと思ったのでしょう、ドク博士はその場で顔だけ声のする方に振り返ります。


 すると、なんということでしょうか。そこには、全身緑色で、人型二足歩行でありながら、胴体は縦長、顔は横長のラジカセみたいな形に、目のような黄色い【◎】がふたつつけた、いかにも『機械人形です』といわんばかりの物体が立っていました。

 さらに細かく説明するならば、ラジカセのような顔の両端には、耳のつもりで取り付けたと思われるスピーカーのような面がついていました。極めつけは、両腕と両足が取ってつけたように取り付けて見えるのに、その機械人形は関節ような所がなくても、あたかも人間の関節がある部分で気持ち悪いように曲がり、胸の前で拍手していたのです。

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