短編小説☆☆☆さとちゃんペッ!
さとちゃんペッ!
わたしも(にわか)ドジャースファンだよ
スマホに友人からメッセージあり。
「ドジャース勝ったね」
当然あなたも今頃祝杯をあげているでしょ?
といわんばかりに、シャンパンの画像なんか送られてきた。
ドジャース応援してるって言ったっけ???
大谷さんを応援しているだけです。
大谷さんが所属しているチームが勝ったから、当然うれしい。
応援したことなかった山本 由伸くんも、今は応援してる。
佐々木 朗希くんも応援してる。日本人選手の笑顔がうれしい。
そんなにわかドジャースファンがいっぱいいるんでしょうね。
あなたもそうですか? わたしもそうです。お友達ですね。
さて、こんなわたしですが、野球と関わっていた時期が少しあります。
少年野球チームに少し顔を出していました。
寒い冬の日も、暑い夏の日も、少年野球は休みません。
そして、少年たちの練習をはらはらしながら見守ります。
「お願い、そっちに球行かないで。……きっと捕れないから」
「コーチ、その話もうそろそろ辞めてあげて。聞いているふりしてるだけ、全然聞いていないから」
「監督、ご褒美は肉が一番効果的です」
みたいな立ち位置にいました。
他の野球は知りませんけど、少年野球にあるサインについてお伝えします。
これが、何年たっても忘れられないんです。ここに供養させてください。
☆ホームランのサイン……バットにボールが当たらない子に思い切って振れというときに出されるサイン。
少年は、つぶらな瞳で「分かった、そのサインはホームラン。ぼく、がんばる」とバッターボックスに立ちます。そして、打てなかったら「おいこら、ホームランのサイン出しただろうが。ちゃんと見ろ」と叱られます。
☆デッドボールのサイン……相手のピッチャーがちょっとあれなとき、バッドにボールが当たらない子に出されます。
「思い切って当たっていけ」の言葉も添えられます。
デッドボールを食らうと、
監督は相手に「うちのかわいい子に何してくれとるんじゃ」とすごみます。
そして、少年には「おお、ようやった」と褒めます。
デッドボールでの出塁がやたらと多い少年もいました。
そうやって、野球を通して世の中を知る。
理不尽も大人の事情も、結果こそが全てだということも、少年たちは学んでいくのでした。
失礼しました。ではまた。
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