第8話 封印の解除

地下室の古い箱の前に集まった葵と三姉妹は、手にした古文書の手がかりに従い、封印を解く儀式を始める準備を整えた。彼らは、箱に描かれていた奇妙な符号を解読し、それが地元の古い伝説に基づいていることを確認した。


「これらの符号は、地元の保護の呪文に関連しているようだ」と楓が解読した内容を共有した。呪文は、この地を守るために古代から伝えられ、不幸な魂を解放する力があるとされていた。


葵は三姉妹と協力して、呪文を唱え始めた。彼らの声は地下室に響き渡り、古い箱からは次第に輝く光が漏れ始めた。空気が振動し、ほんの一瞬、時間が停止したかのような静寂が訪れた。


突然、箱が軽く震え、蓋が少しずつ開いた。中からは温かい光が溢れ出し、部屋は幻想的な雰囲気に包まれた。葵と三姉妹は息を呑み、箱の中に現れた物を見つめた。


箱の中からは、三姉妹の遺品である小さなアクセサリーや写真、手紙などが出てきた。これらは彼女たちの生前の思い出が詰まった大切な品々だった。楓、皐、凛は涙を流しながら、それぞれの品を手に取り、過去の痛みと向き合った。


「私たちの思い出が、こんな形で残っていたなんて…」凛が言葉を詰まらせながらも、手にした写真を胸に抱いた。皐は手紙を開き、昔の文字を追いながら過去の自分と対話するように読み進めた。


葵は三姉妹を温かく見守りながら、彼女たちが感じる解放の瞬間に立ち会った。彼もまた、自らの過去に平和を見つける手がかりを得たように感じた。


儀式の後、地下室は明るくなり、空気も清々しくなった。三姉妹は、自分たちの過去の鎖から解放され、真の意味での平穏を取り戻し始めていた。葵と三姉妹は手を取り合い、これからの新しい日々への第一歩を踏み出す準備ができていた。


この日、彼らはただの霊と人間の関係を超え、真の家族としての絆を深めた。そして、彼らの前には新たな希望と冒険が待ち受けていた。

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