鉱山を攻略せよ!!

魔王からの命令を受ける姫君

デイジーさんとの決闘から数日が経ち......私は、正式な四天王として活動を始めました。


と言っても、書類を片付ける仕事がメインですけどね。


そして.......決闘が終わった後、ドラドさん達によって、歓迎会が行われたのですが..........そこでは、城にいた頃では考えられないほどに、たくさんの肉が振舞われていたので、私は、無我夢中で肉を食べていました。


だって、城にいた頃は、肉を食べることを制限されていたんですもの。


これぐらいの自由をしても良いじゃないですか!!


と、そんなことを思いながら食べていたら、逆にその食べっぷりが好評だったのか、魔族の皆さんから肉をたくさん貰いました。


.....やっぱり、魔王軍に入って正解でしたね。


「お呼びでしょうか、魔王様」


今現在の私は、魔王様の元に来ていました。


「来たか、『黒のルルー』よ」


ドラドさん達からプレゼントされた、黒の鎧を見に纏っている私に対し、そう言う魔王様。


「お前を呼んだのはただ一つ。パヴァロア王国の侵略のためだ」


そう言った後、ニヤリと笑う魔王様。


「パヴァロア王国の侵略.....というと?」

「ルルーよ、お前は...パヴァロア王国の西の方にある、鉱山のことは知っているか?」


パヴァロア王国の西の方にある鉱山......


「あぁ、ひょっとしてヴァニア鉱山のことですか?」


魔王様に対し、私がそう言うと.......魔王様はニシシと笑った後


「大正解!!流石はパヴァロアの元姫君だ」


と言った。


「生まれ故郷の地名ぐらい知っておかなければ、王族としての品位が下がるかと思いまして」


私がそう言うと、魔王様はケタケタ笑った後、こう言った。


「ハハハハハ!!全く、パヴァロア王国はとんだ逸材を逃したものだなぁ!!」


.....逸材?


「別にそこまで光る原石ではないと思うのですが.......」

「ククク、そういうところがお前の面白いところだが.....まぁ良いだろう」


そう言った後、魔王様は私の方を向くと......私に向け、こんなことを言った。


「ルルーよ、我が名によって貴様に命じる。このヴァニア鉱山を.......我らのモノとせよ」


ニヤリと笑いながら、そう言う魔王様。


魔王様の口から出たその言葉は、私に下された初めての指令であるのと同時に、本格的にパヴァロア王国と戦うことを意味していた。


「貴様の活躍、期待しているぞ」


これが、四天王となった私の初めての仕事。


だけど......何故だろう?


何故、故郷を攻めるというのに、こんなにも胸が高鳴るのだろう?


あぁ.....そっか。


私は.......誰かと戦えることを心から喜んでいるんだ。


「魔王様の仰せのままに」


そういうわけで、ヴァニア鉱山攻めが決まった私なのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る