第33話:幅寄せ。
以前、理容師になるために理容美容専門学校に通ってたんですけど
僕は客商売は自分には向かないと思って理容学校を卒業すると、あっさり
辞めてしまいました。
辞めた途端に女っ気がなくなりましたね。
つぎに就職した会社がこれまた男ばかりに会社で、女っ気がない・・・。
まあ友人がいたので、女の子を手配してもらって遊びに行ったりキャンプに
行ったりしましたけどね。
でもその頃の僕は女性にはあまり興味がなくなってて、それは理容学校で
さんざんフレーバーな香りを嗅ぎすぎたせいって言うか、そんな空気に疲れた
って言うか女性がたくさんいるから花園みたいですけど、い過ぎてもそれは
それで恋愛に対して臆病になるもんなんです。
だから理容師を辞めてからはひたすらバイクでしたね。
僕はタバコも酒もやらないし、ましてやギャンブルもやらない。
あと、釣りともやらないしね。
だから僕の嫁さんと巡り会うまで誰とも付き合わなかったからバイクだけが
僕の相棒でした。
まあ、嫁さんとは偶然出会ってツバをつけておかないと他の男に取られると
マズいと思ったのでデートに誘ったんですけどね・・・、
もし付き合う前に嫁さんが高校生だと分かっていたら、女子高生はマズい
だろってことになってたかもですね。
知った時には、もう付き合ってましたから、嫁さんが女子高生だと分かった
からって、だから別れようって理由にはなりませんからね?・・・。
で、嫁さん「彼女」をバイクに乗せてツーリングに出かけた時、幹線道路で
県外の保冷車のあおりに遭遇しましてね・・・幅寄せされたんです。
なにもしてないんですよ、真っ直ぐ走ってただけです。
たぶんですけどバイクの後ろに女の子なんか乗せて走ってたので
んでしょうね。
ちょっと脅かしてやろうって思ったんじゃないですか?
そりゃ怖かったです。
コケはしませんでしたけど、ヒヤッとしました、なんせ後ろに嫁さん乗せて
ましたからね。
その件があってから、僕はバイクの後ろに、一切人は乗せなくなりました。
常にロンリーライダーです。
今はね、乗せたくても乗せられないですけどね・・・原付ですから。
つづく。
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