ラブリンマン 〜真説・坂田金太郎〜
まもるンち
~序~
むかしむかしのこと。
さがみの国のあしがら山に、きんたろうという男の子がいたそうな。
大きなまさかりをかついで山をかけまわる、
それはそれは元気な男の子じゃった。
きんたろうはたいそう力がつよく、くまとすもうをとっても負けんかった。
足もたっしゃで、うさぎやしかや、
さるもかなわぬほどはやくかけることができた。
ある日のこと。みなもとのよりみつというえらいおさむらいが、
三人のけらいをつれてあしがら山のちかくをとおりかかった。
そして、大きないのししをすもうでなげとばしているきんたろうを見て、
「どうじゃおぬし、わしのけらいになってみやこへいかぬか?」といった。
「みやこへいって、おらはなにをすればええんだ?」ときんたろうはたずねた。
みなもとのよりみつは、こうこたえたそうじゃ。
「うむ。さむらいとして、みやこであばれているおにをたいじするのじゃ」
――正歴元年、西暦では九九〇年頃。
時の権力者である一条天皇は
鬼とは、京の都を荒らし回り、民を恐怖に陥れていた凶悪かつ残忍な鬼・
実際にそれらを討伐したのは源頼光と、頼光四天王と呼ばれる四人の侍達である。
すなわち
一行は酒吞童子を退治した後その首を持ち、都に凱旋した。首は
現在は、京都某所の首塚大明神なる神社の地中深くに、酒吞童子の首は眠っている……というのが伝説の全容である。
その委細に、以下に記す世にも数奇なる物語が実在したかどうかは定かではない――。
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